ご存じの方も多いかもしれませんが、タクシーの屋根に付いている社名表示灯(行灯)が赤色に点滅していたり、それと連動して助手席前にある表示灯も「SOS」や「助けて」になっていると、緊急事態のサインです。
タクシージャックや強盗が起きている可能性が極めて高く、緊急性を要します。このような車両を見つけたらすぐに110番通報していただけると助かります。
そこで今回は、タクシーの緊急サインについて解説します。
この記事に書いてあること
✅タクシーが緊急サイン(行灯の赤い点滅・表示灯が「SOS」や「助けて」)を発している際の、一般人が取るべき行動について解説しています。
タクシーの緊急サイン表示の意味
タクシーは、運転席に「緊急スイッチ(ボタン)」が取付けられており、非常事態の際に運転手はそれをONにすると、屋根に取り付けられている「社名表示灯(行灯)」が赤色に点滅する仕組みになっています。
行灯の赤い点滅と「SOS」や「助けて」
社名表示灯(行灯)
「社名表示灯」とは、通称:行灯(あんどん)と呼ばれ、タクシー車両の天井に設置されている表示灯です。
緊急スイッチをONにすると、この社名表示灯(行灯)が赤く点滅します。
車外に緊急事態が発生していることをアピールをするのですが、夜間はよく目立ちますが、昼間はあまり目立ちません。
表示灯(スーパーサイン)
また、助手席前のダッシュボード上に設置されている「表示灯(スーパーサイン)」に『SOS』や『助けて』という文字表記が連動して表示される車両もあります。
赤い点滅表示が出ていたら110番通報すべき
誰かが110番通報するだろうという思い込みは大変危険です。
見つけたときは冷静に、場所・タクシー会社名・車種・ナンバープレート・車両の色・何号線をどの方角へ向かっていったか・昼間なら車内の様子など、その他特徴を瞬時に記憶して、その旨即通報して下さい。
また、スマホ・ガラケー問わず携帯電話には簡易な操作で「緊急電話」をかけることができる機能が付いており、それを利用してかけていただくと110番につながります。
どういうときに緊急サイン表示になるのか
タクシー強盗など頻繁にあるわけがないので、ここではどういうときに「緊急サイン」表示になるのか具体的に解説していきます。
事例:タクシー強盗や事件に巻き込まれたとき
実際に起きたときや、その他事件性のある事柄に巻き込まれたときは、運転手は緊急スイッチを迷わずに入れます。
事例:誤って緊急スイッチを入れて気が付いていないとき
運転中や駐停車中に何らかの運転手の動作により、誤って緊急スイッチを入れてしまい、それに気づいていないこともあります。
詳細は後述しますが、緊急スイッチが入ると配車センターも把握しているため事実確認します。
事例:故障による誤動作
稀に経年劣化により配線のトラブルや機器の故障で、誤動作が生じることもあります。
私自身、機器の故障で知らぬ間に表示灯が「SOS」表示になっていたことがあり、善良な市民に通報されてパトカーが飛んできたこともありました。
緊急サインは配車センターも把握している
運転手が緊急スイッチをONにすると、現代の配車システムは、非常事態を知らせる信号を発信しているので車両の現在位置とともに、タクシー会社は把握しています。
配車センターのモニター上にはその表示がされ、音声でも知らせる機種もあります。
⇒「GPS配車システムの特徴」についての解説はこちらをクリック!
とは言え、例えば営業区域外に出て遠方に車両が行くと、配車システムは正常に位置把握ができなくなる恐れもありますし、個人タクシーはそもそも個人で仕事をしているので、緊急事態に陥った場合は、緊急サインのみが頼りで第三者が警察へ通報しなければ、大変危険な状況に追い込まれる可能性が高くなります。
万が一の緊急事態のときにどう対応するか?
防犯上詳細は言えませんが、車両の緊急スイッチがONになると、事実確認をして緊急事態が発生していることが確認されると、配車センターは即110番通報することになっています。
そして、その車両の現在位置はGPSで把握しているため、近くの空車車両に連絡して、様子を見に行かせるのが常套手段です。
遠方に行ってしまった場合はそういったことができませんが、ケースバイケースで乗務班長やベテランの運転手が助けに行くこともあるかもしれません。
また、警察と連絡を取り合い、その車両の詳細位置を実況報告することになります。
緊急事態の対処法は乗務員研修で教わる
タクシー会社に入社後の乗務員研修で、最初に教えてもらったのがこの緊急事態の対処法でした。
あってはならないことですが、万が一の際はこう対処しなさいというのを叩き込まれますので、どう対処するかは運転手はよくわかっています。
まとめ:タクシーが緊急サインを発しているときはあなたが迷わず通報する
最後にまとめると、
- タクシーが緊急サイン(行灯の赤い点滅・表示灯が「SOS」や「助けて」)を発している際は、その車両の特徴を記憶して、迷わずあなたが110番通報する。
これが全てです。
「タクシー強盗なんて起きるわけがない」「どうせ誤動作か何かの間違い」「誰かが見つけて通報するだろう」と思われる方もいるかもしれませんが、車内は緊迫した状況に陥っている可能性も否定はできません。
近年は、GPSで車両位置を配車センターが把握し、車内の防犯カメラが設置されていることも広く認知されているためか、強盗事件も少なくなりましたが、万が一の際は、善良な市民の通報が運転手の命を救うこともありますので、ためらわずに通報していただければ幸いです。
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