タクシーは古いクラウンの車両がなぜ今でも多いのか?新車種に代替えされない地方特有の理由

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タクシーについてよくある質問

古くなったタクシー車両の代替車両として多いのがトヨタJPNタクシーで、特に都市部では古くなった車両から順に代替えが進んでいます。

ですが、地方ではあまり代替えが進んでいないのが実状です。

ではなぜ、タクシー車両はいつまでも古い車両が使われているのか?

また、代替が進まない地方の裏事情についても解説します。

この記事に書いてあること

タクシーはなぜ古い車両(クラウン・セドリック)が多いのか?長く使用される理由

地方でタクシー車両の代替えが進まない理由

について現役ドライバーが解説しています。




タクシー車両の寿命は何年?走行距離は?

タクシー車両の寿命の目安は、年数も判断基準のひとつですが主は走行距離になります。

走行距離や年数について、詳しく解説していきます。

 

距離の目安

距離の目安は30~50万キロメートル

30~50万kmと幅があるのは、規模の大きい会社と中小零細の会社では代替えの基準等が異なりますし、黒字経営の会社は30万km程で代替えするところもあります。

逆に経営が苦しい会社は、50万km以上の走行距離でも可能な限り、長持ちさせて使用することもあります。

 

年数の目安

利用者が多い都市部の方が代替えサイクルが早い

都市部の方が地方より利用者が多いため、一稼働日(一日)の走行距離が地方よりも長くなります。

都市部は利用者が多く、勤務形態がどのような形態であれ、一稼働日の走行距離は早く伸びる傾向になり、結果として車両の寿命は短くなり、代替えのサイクルは早くなります。

その結果都市部では、3~6年程で30万km程度に到達するようで、その基準で代替えすればその年数が寿命ということになります。

寿命とはいっても、まだまだ走行可能な車両であれば、地方の系列会社や中古車市場に流れていきます。

地域による走行距離の差、会社の規模、経営状況などにより異なるので、一概に何年とは言えません。

地方では10年以上現役のクルマはざらにあります。

 

タクシーは見た目が古い車両が多い理由

都市部や地方に限らず、タクシー車両は全般的に見た目が古い車両が多い印象を持たれる方も多いと思いますので、理由を簡潔に解説します。

 

タクシー専用車両の長期間の販売

ここ数年でタクシー車両も法改正により、ミニバンやワゴン車系が増えましたが、以前はタクシーといえばセダンしかありませんでした。

タクシー専用車両として、トヨタクラウンセダンと日産セドリックセダンが販売され、実質的にこの二車種が現在も現役で走行しているため、見た目にも現代のデザインよりも古く見えてしまうのも致し方ありません。

トヨタクラウンセダン

1995~2018年初頭まで20年以上に渡り販売され、後継車種として2017年から「JPNタクシー」が現在販売されています。

クラウンセダンのデザインはやや丸みがあるため、セドリックセダンの角張ったデザインと比較すると、車両の古さはあまり感じられないかもしれませんが、それでも基本設計は90年代のクルマです。

日産セドリックセダン

1987年~2014年末まで30年弱に渡り、また1993~2009年まで「クルー」という車種も販売されていました。





地方のタクシー車両代替え事情

地方のタクシー会社は、都市部と比較して利用者が少ないため、収益の少ない会社もあり経営状況が良くない会社もあります。

そのような状況下で、新車のタクシー車両を購入すれば経営が圧迫されるのは目に見えています。

まして、今のタクシー専用車両は「トヨタJPNタクシー」と「日産NV200(タクシー仕様)」で、ほぼトヨタJPNタクシー一強です。

その車両価格は300万円台で決して安くはありません。

古くなった車両は、これ以上修理が困難な場合や多額の修理費がかかる場合、廃車にして代替えをしなくてはなりません。

ならばどうするのでしょうか?

 

都市部のタクシー会社が代替えのために手放した中古車両を安く購入する

都市部のタクシー会社は、利用者が多く利益の出ている経営状況の良い会社もたくさんあります。

上記でも述べたように、都市部の儲かっているタクシー会社では30万km程で代替えをする会社もあり、その中古車両を地方のタクシー会社が安く譲り受けることもよくあります。

実際に、私が所属する会社でも登録ナンバーが新しい車両は、そういった車両が多いです。

要するに…、

都市部の儲かっているタクシー会社 → 新車のトヨタJPNタクシーに代替えしていく

地方の儲かっていないタクシー会社 → その代替えする中古車両を譲り受ける

という構図となっています。

 

地方へ流れてくる車両はクラウンセダンが多い

日本のタクシー車両は、日産セドリックセダンもありますが、現状ほとんどがトヨタクラウンセダンです。

このクラウンセダンは「コンフォート」が廉価版で最も普及し、その上級仕様車でやや高価なのが「スーパーデラックス」と「スーパーサルーン」があります。

このクラウンセダン3車種で程度の良いのをいくらかで譲り受けたり、中古車市場で出回るものを購入し、代替え車両とすることも地方のタクシー会社では多いです。

 

エンジンを丸ごと載せ替える

代替えの手段として、なるべく程度のいいエンジンに丸ごと載せ替える方法もあり、中古車両を購入するより安く済むこともあります。

 

一般車をタクシー車両として購入する

現在は規定が変更されて、ガソリン車やハイブリッド車をタクシー車両として使用することができるので、そのような車両を購入するタクシー会社も増えています。

例えば、「シエンタ」「アイシス」「ノア」などのミニバンや、「カローラフィールダー」「プリウス」などもタクシー車両として使われるようになりました。

 

タクシーは20~30万キロメートルを超えてくると次第にガタがくる

タクシー車両は、車検が年に1回、点検が3カ月に1回義務付けられています。

流石に走行距離が増すほど車両全般にガタがくることになり、修理することも増えてきます。

大体20~30万km以上走行すると何かしら不具合も起こりやすくなります。

車両の不具合が発生するのは様々ですが、ここでは自身が経験した車両トラブルについて一部紹介します。

 

ラジエーターの冷却水漏れ

走行中水温計の針が揺れて「H」に傾くのでボンネットを開けてみると、何かのはずみで一気に冷却水がダダ漏れになり、ラジエータータンクが空っぽで走行した結果、オーバーヒートになる寸前で危うくエンジンを焼いてしまうところでした。

 

パワステオイル漏れ

ステアリングを切ると「ギィーギィー」音がして、パワステのオイル漏れでタンクに全くオイルが入っていなかったこともありました。

 

走行中のエンジン停止

LPG車特有の症状で、普通に走行中に前触れもなく突然エンジンが停止するということもあります。

こうなると、徐々にブレーキは効かない、ハンドルも切れずに固まってしまいクルマを一切制御できなくなり恐ろしいことになります。

 

その他

走行距離が20~30万kmを超えると、不具合とまではいかずとも運行にあまり支障が無ければ、修理や部品交換はしないこともあります。例えば…、

足回り(サスペンション)

走行距離40万kmを超える車両は酷いものです。

走行中ギィーギィー音がしたり、踏切を超えるとガタガタ振動したり、なるべくお客様に不快感を与えないようにしていますが、クルマ好きな方や詳しい方は、足回りがへたっていることを指摘されるお客様もみえます。

ただ、足回りを替えるのは修理代が高くつくので、新車時から替えていないそのままの状態の車両も多いです。

 

まとめ:寿命は30~50万km・都市部の代替えサイクルは早くその車両が地方へ流れる

最後にまとめると、

  • タクシー車両の寿命は、走行距離30~50万km。
  • 利用者が多い都市部の車両は、距離が伸びるため3~6年程で30万km程度に到達する。
  • 都市部の車両は代替えサイクルが早い傾向にあり、その車両が地方へ流れてくる。
  • 地方では利用者が少ないため、タクシー会社の収益が低いところも多く代替えがあまり進まないため、50万km前後の車両もざらにある。
  • 都市部を中心にトヨタJPNタクシーに代替えが進んでいるが、今でもタクシーは20年程モデルチェンジされず販売されたクラウンセダンが圧倒的に多く、日産セドリックセダンなどと同様に見た目の古さはやむを得ない。

といったところでしょうか。

地方では50万km前後のタクシーが走行していることもざらにあり、自身がいつも乗務する車両も現在48万kmを超えており、とても安全性や乗り心地など、現代のクルマの水準とは思えないほどの古さであることは確かです。

年配の先輩方に聞くと景気の良かった頃は、地方でも30万km程度で新車に代替えしていたそうですが、クルマの性能は当時と比較して劇的に進化しているにも関わらず、その倍近い50万kmを超えても代替えされずに、修理を重ねて走行しているのが実状です。

今後もこの状況は続きそうですが、地方でも車両の代替えが進み、乗り心地や安全性の高い車両が普及することを望みます。

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