都市部と比較すると地方ではあまりないのですが、高速道を走ってくれと言われるお客様がみえます。
当然ですが、高速料金はお客様のご負担です。
地方ではタクシーで高速道路を利用する方は少ないのですが、その際の支払いはどうすればいいのか。あまり知らない方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、高速料金の支払い全般について解説します。
この記事に書いてあること
✅タクシーでの高速料金の支払い方法
✅高速道に乗ると、メーターの「高速ボタン」を押すのはなぜか?
✅高速利用時において、帰りの分まで高速料金の支払いをするのか?
について、現役ドライバーが解説しています。
タクシーで高速道利用時の高速料金はどう支払う?
当然ですが、タクシーで高速道路および有料道路を利用されるときは、全てお客様の負担になります。
この高速道路の料金の支払い方法ですが、一般的にはETC・現金・クレジットカードになります。
車両によってはお支払い方法が限定されることもあります。
ここでは、運賃とは別に「高速料金の支払い方法」について解説します。
高速料金の支払い方法を車両ごとに解説
タクシーにETCが装備されている車両
タクシーにETCが装備されている場合、ETCカードを使用するのですが、そのカードがタクシー会社(個人タクシー)所有かお客様所有かで、支払い方法が変わってきます。
タクシー会社(個人タクシー)所有のETCカードを使用するケース
降車される際の精算時に、運賃とまとめてお支払いいただくことができます。
現金・タクシーチケット・クレジットカード・キャッシュレス決済などでお支払いいただけます。
お客様所有のETCカードを使用するケース
お客様所有のETCカードでも対応しているタクシー会社であれば、高速料金のみ、お客様のETCカードでお支払いが可能です。
しかし、システム上対応していないタクシー会社もありますので、事前に問い合わせてください。
タクシー会社にもよりますが、現在市販されているトヨタのJPNタクシーや上級仕様車のクラウンスーパーデラックスなどは、ETC装着車が多いのですが、一般的な車両であるクラウンコンフォートなどは、ETCが装着されていない車両も多いです。
タクシー会社も全車両にETCを装着すると、コストがかかりますからやむを得ない事情もあります。
よって、新車で購入した車両や上級仕様車のみETCを装着して、「ハイヤー」としての利用時にも対応できるようにしています。
タクシーにETCが装備されていない車両
ETCが装備されていない車両については、高速料金は別途お支払いいただかなければなりません。
お客様から、「今日びETCも付いていないのか!」とお叱りを受けたこともありますが、都市部の個人タクシーはともかく、地方ではタクシーで高速道路の利用も少ないことから、コスパが低いこともあり、装着されていない車両も多いのが実状です。
現金支払いのケース
運賃を現金でお支払いのお客様は、料金所で高速料金のみ現金でお支払いいただくのは面倒で時間がかかるので、乗務員が一旦立て替えることが多いです。
降車時に、運賃と高速料金を合わせた金額を請求します。
クレジットカード支払いのケース
運賃もクレジットカードでお支払いいただくお客様の多くは、高速料金のお支払いに関して、料金所で支払う際にカードを預かり、係員に渡して清算します。
そして、係員からカードを受け取りお客様にカードを返却します。
チケット払い・未収および貸切のケース
チケットや未収扱い(事前に未収扱いで予約し後日支払い)、また貸切のケースでは、高速料金は乗務員が一旦立て替えて、会社が後日運賃とまとめて請求します。
⇒タクシーの貸切料金は一日いくら?メーター料金より安い利用方法やメリット・デメリットを解説
高速道走行はメーターの「高速ボタン」を押すと距離運賃のみ
タクシーが高速道路を走行する場合、乗務員はメーター内の「高速ボタン」を押さなければなりません。
タクシーは「時間距離併用制」のため、走行距離プラス時間でもメーターが上がるようになっており、信号待ちや踏切で停車したり、時速10km/h 以下の走行では、積算80~90秒程でメーターが上がります。
ですが、高速道路に入るとメーターの「高速ボタン」を押さなければならないルールになっています。(メーターに「高速」と表示される)
これは、時間制の運賃がストップして距離運賃のみとなります。
つまり、時速10km/h以下走行の渋滞にハマってしまっても、時間での運賃は加算されずに距離のみの運賃となります。
高速道路を降りると、再び「高速ボタン」を押して解除します。(メーターの「高速」表示は消える)
正直に言うと、普段あまり高速道路を利用していないと忘れていることも多々あります。
自動で切り替わるわけもないので、手動切り替えになるのは仕方がなく、乗務員の押し忘れも多々あるため、お客様においても気がつかれたら指摘して下さい。
逆に言えば、渋滞でなければ押し忘れていたとしても、距離の運賃のみですので、時間運賃は加算されないので問題はありません。
但し、高速道路ではなく有料道路はこの限りではありません。
高速利用時の帰りの高速代金は支払わなければならない?
通常、帰りの高速道路の代金を請求することはありません。
乗務員は、一般道を走るか、自費で高速道を走って戻るかのどちらかです。
但し、営業区域内から50キロを超えた場所などは利用者に高速料金を請求する事はできますが、現実的には難しいと思います。
お客様から、自発的に任意で余分にお支払いいただく分には問題ありません。
まとめ:高速料金はお客様負担・乗務員は高速ボタンを押す決まり・帰りの高速料金支払いは不要
最後にまとめると、
- 運賃と同様に、高速料金もお客様の負担。
- タクシーが高速道を走行する場合は、乗務員はメーターの「高速ボタン」を押すルールになっており、時間制の運賃はストップし距離のみの運賃になる。
- 高速道を利用後にその運賃と高速料金とは別に、帰りの高速料金の支払いは実質的に不要。
といったところでしょうか。
都市部では高速道路の利用はよくあると思いますが、地方ではあまりないのが実状です。
普段はETCが装着されていない車両で乗務しているため、高速道路を利用するのは清算や帰庫時の納金がやや面倒ですが、距離が出ることも多いため、”おいしい仕事”であり乗務員からすれば嬉しいものです。
全座席でのシートベルトの着用をお願いいたします。
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