タクシーに3~4名で乗車されるときは、助手席も利用されることになります。
1人で乗車されるときは、後部座席に乗ることになるのですが、助手席に乗せてほしいという方もごく稀にみえます。
そこで今回は、タクシーに1人で乗る際に助手席に乗ろうとすると拒否されるのか?助手席に乗客を乗せること全般について解説します。
タクシーは1人乗車で助手席に座るのはマナー違反!
タクシーに限らず、他人の車に乗せてもらうとき、送迎してもらうときは、友達同士やデートなど、気の許した間柄では別ですが、一般的には後部座席に乗せてもらうのがマナーです。
タクシーも同様に、1人で乗車するときと、2人で乗車するときは後部座席に乗るのが、日本では常識とされています。
タクシーは1人乗車で助手席に座ることを拒否する理由
1~2人で助手席に乗せることを拒否する理由は、上述した理由「日本の常識」の他にもいくつかあります。
防犯上の理由
タクシーは不特定多数の人を乗せるため、その人がどのような人なのかわかりません。
後部座席では、前席のシートで遮られていますが、助手席は何も遮るものもなく、万が一「タクシー強盗」に化けると、身の安全を脅かされます。
ドライバーからしても、初対面でどのような人物かわからない人を、助手席に乗せることは、3人以上であれば仕方のないことなので構わないのですが、気分も滅入ってしまいます。
また、強盗とまでは言わないまでも、釣り銭は手元に置いているので、ひったくって逃げる可能性もないとは言えません。
若年層にマナーを知ってもらうため
時折、1人または2人乗車でも、若い子で助手席に乗り込もうとするマナーを知らない人がいます。
そういった人に、知ってもらう、教えるという意味合いもあります。
例えば、若い外国人研修生が土日祝日の休日に、どこかに遊びに行って、帰宅するときに駅からよく自宅の寮まで、利用されることがあります。
管理人がいつも待機する駅の周辺には、大手・中規模の企業が密集する工業団地があり、特定の企業は、賃金が安い外国人研修生を定期的に雇用していて、近くに集団生活している寮があります。
休日になると、バスで駅まで移動して電車に乗って遊びに行き、その帰宅の際に、タクシーを利用されることも多いのですが、外国人で若いということもあり、1~2人連れのとき、左側後部ドアを開けているにも関わらず、助手席に乗ろうとする人もそれなりにいたりします。
そういったときは、管理人は大きなジェスチャーで、後部座席に座るように促します。
また、たまに日本人の若い子でも、当然のように助手席に乗り込もうとする人もおり、タクシーに乗ったことがないのか、親から教わっていないのか知りませんが、余計なお世話かとも思いつつ、教えることもあります。
安全に運行する妨げになることも
後席に乗れるにも関わらず、助手席に見ず知らずの人が乗るのは、気持ちのよいものではありません。
助手側の窓も見にくくなってしまい、気が散漫になりやすいこともあります。
タクシーは、フェンダーミラーが多いので、助手席に乗車されても左側の後方の視界は確保できますが、タクシー専用車のセドリックセダンはドアミラー仕様もあり、プリウス・シエンタなど市販されているクルマをタクシー車両にしている場合は、フェンダーミラーではなくドアミラーになるため、助手席の乗客の動向が気になることは確かにあります。
タクシーの後席で車酔いするため助手席に乗りたい方はOK
極度に車酔いする人で、後部座席では酔ってしまうから、助手席に乗せてほしいという方が、ごく稀にいます。
以前、80代くらいの母親を50代くらいの娘が、4~5km離れた行きつけの大きな病院へ連れて行くのに、呼んでいただいたことがあり、80代の母親を後部座席に乗せて、50代の娘は酔いやすいからと言ってきて、助手席にお乗りいただいたことがありました。
ブレーキのかけ方に少しでもショックがあったり、右左折するのにも通常よりかなりスピードを落とさないと、「あー気持ち悪い」と言われました。
このように、クルマ酔いが酷い方で、前席の方が酔いにくいので、助手席に乗せてほしいという方は、遠慮せずにドライバーに申し出て下さい。
乗客に嘔吐されるのが最も嫌うので、申し出ていただくと、快諾するドライバーがほとんどだと思います。
ただ、そこまで車酔いが酷いのであれば、事前に酔い止めの薬を飲んでおいてほしいというのが、個人的な見解です。
タクシーに1人で助手席へ乗るわがままな方は困る
こういった人も厄介で、管理人の担当エリアにも、酔った状態で迎えに行ったり、駅から乗込んでくると、決まって必ず助手席に乗せろと言い、あーだこーだと絡んでくる人がいます。
トラブルになるとめんどくさいので、しぶしぶ助手席に乗せますが、オネエ系なのかよくわからない人で、気持ち悪いことこの上ありません。
このような人はあまりいないと思いますが、ドライバーは当然ながら嫌うので、やめておきましょう。
タクシーに3~4人で乗り順番に送迎→最後残ったのが助手席の人の場合は?
例えば、飲食店へお迎えに行き、4人乗車されたとします。
後部座席の3人が順番に降車され、最後に助手席の乗客が残りました。
このとき、助手席の乗客は、どうすればいいでしょうか?
そのまま助手席に乗り続けても構わない⇒嫌なら後部座席へ移動もOK
このケースでは、そのまま助手席に乗り続けてもらっても構いません。
大抵の8~9割以上は、そのまま助手席に乗り続ける方が多いです。
確かに、後部座席の仲間が降車されて、1人助手席に残ると、車内は何となく気まずい雰囲気にはなりますから、それを嫌う方は移動される方もみえます。
ドライバー側からすると、先程まで仲間内で飲食なりされていたのですから、見ず知らずの人でも、それまでの会話を聞いているので、ある程度はどのような人達か推測することができるため、気分的には楽です。
タクシーの助手席コロナ対策
全日本ハイヤー・タクシー連合会は、2020年5月にガイドラインを発表し、「定員上後部座席に着席可能である場合には、利用者に対して可能な限り後部座席に乗車するよう理解と協力を求める」と明記されていました。
言い方を変えると、「助手席の利用はできるだけ控えて下さいね」ということになります。
タクシー会社により対応は異なりますが、あくまでお願いベースとして、助手席への乗車を遠慮していただくように、ドライバーに徹底指導している会社もあります。
また、透明ビニールのシートで簡易的に、前席と後席のみならず、運転席と助手席の間にも仕切りを設けている、タクシー車両もあります。
まとめ:タクシーに1人で助手席への乗車は基本的にNG!
最後にまとめると、
- タクシーに乗車する際に、客1人で助手席に乗ろうとしたときに「乗車拒否」をされるわけではなく、後部座席へドライバーは誘導する。
- タクシーは、客1~2人乗車のときは、基本的に助手席に乗せない。昨今はコロナ対策も含んでいる。
- 車酔いしやすい方は、ドライバーに申し出て助手席に乗せてもらう。
- 客3~4人でタクシーに乗車後、順に送迎していき、最後に残ったのが助手席の人の場合は、そのまま助手席に乗り続けても、後席へ移動しても、どちらでも構わない。
といったところでしょうか。
諸外国では、タクシーは助手席に乗車するのが一般的な国もあるようですが、(車両の形状にもよると思いますが)、上述した外国人研修生の母国では、もしかすると助手席に乗るのが一般的なのかもしれません。
日本ではタクシーも含めて、あまり親しくない間柄や、誰かに送迎してもらうときは、後席に乗車するのがマナーであり常識ですから、1~2人で乗る時は、左側後席から乗るようにしましょう。