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タクシー運転手が高齢だと認知症による事故が怖い!最高齢の事例と免許返納はあるのか?

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タクシー利用者

近年、高齢ドライバーの事故がマスコミで連日取り上げられるようになり、アクセルとブレーキを踏み間違えて大事故を起こすなど、少子高齢化が進む日本において、社会問題になっています。

平均年齢が高いタクシー業界も例外ではなく、高齢ドライバーは多く年々増加しており、中には認知症になってしまったドライバーも存在します。

事実、私が所属する会社で、定年の2~3年前に認知症になったドライバーがいて、入社してからその人と同じ班になり、新人ドライバーのときからその人の面倒をみていました。

タクシードライバーが認知症になると、処遇は一体どうなるのか?

どのような症状になり、周囲がサポートしなければならなくなるのか?また、業務停止、免許返納などがあるのかなど、自身の経験をもとに一例をお伝えします。

この記事に書いてあること

高齢のタクシー運転手が認知症になると、何が起きるのか?実際にあったエピソード。

認知症の症状が見受けられても、チェック体制がなく、処遇は所属する会社に委ねられている。

乗車後に運転手が認知症の疑いがあるときは、そのタクシーを自ら降りるのもOK。

高齢化するタクシー運転手において、事故の増加が懸念される。




高齢タクシードライバーが認知症になる現実

私が新人ドライバーとして入社したとき、その高齢ドライバー(当時62~63歳)Aさんと同じ班に配属となり、同じ勤務時間になりました。Aさんは40代半ばで入社しているので、勤続20年のベテランドライバーです。

その当時から、少しおかしいなというのはありましたが、周囲の先輩からは、「Aさんの面倒をみてやれ」とよく言われていたのですが、私が面倒を見てもらう立場なのに何を言っているんだと、気にも留めていませんでした。

ところが、認知症の症状は徐々に表面化することになります。

 

場所や道がわからない、思い出せない

まず、駅待機の乗り込みでお客様を乗せても、場所や道がわからないようで、クルマから降りて後続の車列の私に聞きに来ます。20年のベテランが新人に聞きに来るのです。

私や好意を持っている同僚ドライバーにはよく聞きに来るのですが、聞きにくいまたは嫌いな同僚ドライバーが後続にいると全く聞きに来ることなく、自己判断でクルマを出しトラブルを起こすこともありました。

 

お客様とのトラブルや問題が多発

ややこしい客を乗せると、自身で対処できなくなり、同僚ドライバーが助けに行くことになります。

病院からの無線配車で「見るからにその筋の人」であったため、ビビッてなぜか警察を呼び、パニックを起こしてオロオロと右往左往していたり、酔客を乗せて客が寝てしまう、起こすこともできず住所もわからないなど、私も何度か助けに行かされました。

その他、無線配車でナビにお迎え場所が案内されるにも関わらず、場所や方向がわからず遅れることなど頻繁にあり、修理費が150万円にもなった自損事故や100km以上遠方へお客様を送り届けたあとに帰り道がわからず、会社へ戻ったのが十数時間後になるなど、数々の問題を引き起こし、クレームの電話も多々ありました。

 

認知症の初期症状は、本人に自覚がないか、あっても認めようとしない

会社は病院へ検査を受けに行くように業務命令として指示しても、当人はどこ吹く風で全く認めようとせず病院へは行こうともしない。独身でアパート暮らし、首根っこひっつかまえてでも病院へ連れていくような本気で心配してくれる人はいませんでした。

 

認知症のチェック体制がない

周囲から見ても明らかに「認知症」と思われる症状が出ていても、法的には何の問題もなく仕事は続けることができます。タクシードライバーはお客様の命を預かっているにも関わらず、「認知症」の疑いが濃くても何のチェック体制もありません。全てタクシー会社任せです。

その理由は、以下の通りです。



二種免許は更新に年齢制限がない

運転する上で様々な能力が低下していたとしても、二種免許の更新に年齢制限はありません。

 

深視力検査は絶対に合格する

免許更新時の二種免許や大型一種免許などには、「深視力検査」といって、遠近感や立体感・奥行きを捉える目の能力検査があり、3本の棒の真ん中の1本が前後に動き、3本が横一列に並んだところでボタンを押し、3回続けて平均誤差2センチ以内でなければ合格できない検査を、受けなければなりません。

ところがこの検査、合格するまで何度も検査が可能で時間制限もありません。

 

自動車事故対策機構(NASVA)での「適齢診断」

判断力や認知力、視聴覚機能などをテストして、事故の未然防止のため身体機能の変化に応じた運転行動に対して、カウンセリングや助言をして指導する診断で、65歳以上は3年に1度、75歳以上は毎年受けることになっています。

タクシー会社に診断書が渡り、それをもとに会社から指導を受けることになりますが、仮に診断結果が悪かったとしても、法的な行政指導や免許剥奪をされることはありません。

あくまでも加齢による能力の低下を、当人に認識させるための診断で、表面上のものです。

 

「臨時認知機能検査」を受けるのは、75歳以上の違反者

75歳以上のドライバーが違反したとき、「臨時認知機能検査」を受け、認知機能が低下していれば実車講習などが義務となります。(2017年3月12日以降)よって、74歳以下のドライバーは対象外で、尚且つ違反者のみです。

 

乗車後に運転手が認知症と疑われる場合は?

お客様において、タクシーに乗車後の運転手とのやりとりで、認知症の疑いがあると判断されたら、すでに目的地へ向かっているときはそのまま目的地まで向かわれて、会社名と運転手の名前をメモして、そのタクシー会社に遠慮なく通報して下さい。

タクシー会社は、お客様からクレーム等があると履歴が残るので看過できません。それは、お客様や会社、本人を守るためでもあります。

また、乗車後に目的地を告げる段階でちょっとおかしいと思われたときは、そのクルマから自ら降りて乗車されないのもひとつの手です。

状況にもよりますが、自身の命を守るために自らそのタクシーを拒否していただいて構いません。その後、会社へ通報していただけると助かります。

個人タクシーの場合は、都道府県に「個人タクシー協同組合」という組織がありますので、そちらにお願いします。

 

無事定年退職しましたが・・・

結局Aさんは、その後何とか事故も起こさず時折トラブルは起こしつつも、65歳定年まで勤めあげて定年退職していきました。

ちなみにこの方は、その半年後、免許証を紛失して免許センターへ再発行手続きへ行ったところ、その場で名前も住所も思い出すことができずに認知症を露呈し、当然免許証は再発行してもらうことができずに自家用車も売却したそうです。

その後、職場内で親しかった人が独り住まいのアパートを訪ねると、既に引き払い消息不明になりました。

恐らく、身内の方が施設に入れたのではないかと思います。

 

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最高齢の事例

先日、91歳のタクシー運転手が死亡事故を起こしたニュースがありました。深夜タクシーを呼び止めようと車道にでたところをはねられた痛ましい事故でした。

「90歳を超えても、タクシー運転手ができるのか?」と思われた方が大勢を占めるのではないでしょうか?

2年前に警視庁が「75歳を超えるドライバーの死亡事故率は2倍」と発表し、免許返納を自主的にするよう促していますが、タクシー運転手はどうなのか?

各都道府県で、タクシー運転手の平均年齢は公になっているものの、最高齢・高齢ドライバーが何名いるなどの実態はよくわかっておりません。

ただ、タクシー運転手の平均年齢は58歳を超えており、全産業の平均年齢42歳より16歳も上回っていることから、相応の高齢の運転手が多いことは間違いありません。

タクシー業界は人手不足で、65歳で定年退職後、嘱託として引き続き70~75歳まで働く方も多く、実際私が所属する会社でも、そのような方は多いです。

そして、大手のタクシー会社で最終定年である70~75歳で退職しても、中小規模のタクシー会社なら雇用してもらえることもあるかもしれません。

人柄がよく、優良ドライバーであれば人手不足の業界で雇用される可能性は高くなります。

 

免許返納

私は地方でタクシードライバーをしているので、都市部のことはわかりませんが、地方ではクルマがないと生活が成り立ちません。よって、限界まで免許返納はしないのが地方での実態です。

そして、タクシードライバーにおいても同様に、法的に年齢の定めもありませんので、一般ドライバーと同じく限界までは、免許返納しないのが現実です。

 

まとめ

加齢とともに運転能力が低下するのは仕方がないことですが、タクシードライバーが認知症になった場合、全ては会社の判断に委ねられているのが現状です。

このAさんは、たまたま定年退職まで何とかギリギリ持ちこたえることができたので、結果的にはよかったのですが、もし、もう一年程定年まで働かなければならなかったら、休職扱いにされていたと思います。

タクシードライバーは勤務時間が長く、加齢して高齢になるとともに体力や判断力が鈍くなり、事故のリスクも高まるのは必然ですが、それに加えて認知症になったとしても、生きていくために働き続けなければならないのが現実です。

会社にもよりますが、認知症になって出勤停止や休職扱いなどの措置は、恐らく重大な事故や諸問題を起こしてからでないと、踏み切れないのではないでしょうか?

そのドライバーAさんも認知症の疑いがあることを、本人が認めようとしなかったですし、他人が「あなたは認知症ではないですか?」と問いただすことも難しいです。

実際にそのAさんに周囲が、脳神経外科の受診を何度も勧めましたが、全く認めようとせずスルーされ続けました。

また、都市部の個人タクシーには高齢ドライバーも多く、認知症の疑いのあるドライバーも散見されているようです。

今後、一般の高齢者ドライバーのみならず、高齢タクシードライバーの増加に伴い事故が増えて、社会問題化するのではないかと危惧されます。

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