タクシーに乗車されて、運転手に必要以上に親切にされたときなどは、当人だけに限らずその人が所属するタクシー会社にもお礼の電話をされる方もみえます。
それはそれでとてもありがたいことなのですが、その内容によっては電話してきてほしくないときもあります。
お褒めの言葉をいただくのに、電話をするな!とはどういうことでしょう?
そこで今回は、タクシー運転手に素晴らしい接客をされたときに、その会社にもお礼を申し出たいときに気を付けることを解説します。
この記事に書いてあること
✅タクシー運転手に親切な接客をされたとき、その会社に改めてお礼を申し出たいときの方法や注意点について、現役ドライバーが解説しています。
タクシー運転手がいい人で親切にされたら?
特にお年寄りの方や障害をお持ちの方は、運転手が必要以上の接客をすると、自身の所属するタクシー会社にお礼の電話をされる方がみえます。
私も新人の頃一度だけあるのですが、その日の仕事が終わり営業所へ戻ると、お客様からお礼の電話がかかってきたことを伝えられて、嬉しかったことがありました。
タクシー会社へお礼の仕方→電話・手紙・メール
お客様が、運転手の接客や心遣いに感謝や感動して、その方のタクシー会社に改めてお礼を言いたい。
そのようことも時にはあるでしょう。
運転手にもよりますが、お年寄りや病気の方、怪我をされている方、障害をお持ちの方などは、普段より気を遣うことも多く、必要以上にホスピタリティーを意識することもあります。
電話
どうしても改めてお礼が言いたい場合は、助手席前に掲げている「乗務員証」や助手席後ろに名前と顔写真が掲示されていることが多いので、名前を覚えておき電話してください。
運転手も嬉しいものですし、会社にとってもよいことです。
手紙・メール
手紙やメールは文章として残るので、より良いです。
お客様からすれば少々面倒ですが、手紙やメールでお褒めの言葉をいただくと、営業所の掲示板にしばらく掲示されることもあります。
またタクシー会社によっては、金一封が出るなど表彰される対象になることもあります。
タクシー会社はできるだけお客様を囲いたい、何度も利用していただきたいので、良い接客をする運転手には「人参をぶら下げる」ことで、やる気を出させます。
タクシー運転手が割引等を行った場合は処罰対象になることも
ですが、このお客様からのお礼は時に面倒なことを引き起こすこともあります。
それは、お客様に何らかの事情があって、現金を持ち合わせていないときなどで、自分が損しない程度に割引をした場合などでは、会社に知られたくないときがあります。
定額(貸切り)や料金メーターが自動的に割引を行う(遠距離・障害者割引)とき以外で、運転手が意図的に割引などをすると、処罰の対象となるからです。
運賃の算出は、JIS規格に則り1年に1度正規に検査を受けた料金メーターで算出され表示されますが、運行途中でメーターを止めて故意に割引(値引)をしたり、迎車・予約料金など定められた料金を頂戴しないと、厳密には法令違反になります。
例えば、道を間違えたり遠回りをしたとき、現金支払いの場合はトラブル回避のためメーターを早くとめることがあります。
このようなときは言い訳ができるので問題ありません。
ですが例えば、お客様に手持ちの現金が一定の金額しかなく、目的地の手前でメーターを止めてその料金はお支払いいただき、残りの目的地までの距離間はメーターを入れずに無料で走行して送迎したとしましょう。
本来このようなことは収益が下がるのでまずしないのですが、お年寄りや怪我人などのお客様で、天候も悪かったりすると、人がいい運転手はやむを得ずにすることもないとはいえません。
このケースでそのお客様が感謝の気持ちを伝えようと、タクシー会社に包み隠さず報告すると、厳密には法令違反になり処罰される対象になります。
タクシー会社にお礼をするときの注意事項
タクシー会社に改めてお礼を申し出たい場合は、「割り引いてもらった」とかは言わず、手紙やメールでは書かないようにしていただきたいと思います。
感謝の気持ちだけお伝えいただければ幸いです。
まとめ:(「割引してもらった」などとは言わずに)感謝の気持ちだけ申し出る!
最後にまとめると、
- 運転手に親切な接客をされたときに、改めてタクシー会社にお礼を申し出ていただけるのは、運転手にとっては誉れ。
- お礼には、電話・手紙・メールの3つの方法があり、電話が最も手っ取り早いが、手紙やメールは手間がかかるが証拠が残るので、いいことをして表彰される会社であれば、運転手はそちらの方が嬉しい。
- 運転手が運賃を割引したときは、処罰されることもあるので、「割引してもらった」などとは言わずに、感謝の気持ちだけ申し出ていただくのがベスト。
といったところでしょうか。
タクシー運転手がホスピタリティーマインドを持って接客をし、そのお客様の立場に立って対応するのが本来のあるべき姿です。
他の記事で何度も書いていますが、この業界は「よそで何かがあってうまくいかなかった人達」が流れてくるので、様々な方がいます。
運転手には親切な人もいれば不親切な人もいます。
お客様が親切な接客を運転手にされて、感動されたのであれば、お手数ですがタクシー会社にお伝えいただき、次回もその会社のタクシーをご利用いただければ幸いです。
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