「ジャンボタクシー」というものをご存知でしょうか?最大9名様(乗務員を除く)まで乗車可能なワゴン車タイプのタクシーで、一般的なタクシーと同様のメーターが車両に搭載されていて、貸切はもちろん、距離に比例したメーター走行も可能です。
今回は、ジャンボタクシーをもっと知っていただきたく、予約方法から貸切料金や乗車人数、車種や利用方法などをご紹介します。
この記事に書いてあること
✅「ジャンボタクシー」の予約・料金・乗車人数、安く利用する方法などを解説しています。
ジャンボタクシーの乗車人数
タクシー会社が保有する「ジャンボタクシー」は、乗車定員が10名以下の車種で運行します。
これは、乗車定員が11名以上になると「一般貸切旅客自動車(貸切バス)」になるためで、乗車定員が10名以下は「一般旅客乗用自動車(タクシー)」になり、法律的に異なるためです。
乗車人数
乗車定員が10人乗り(お客様9人乗り)のワゴン車系(トヨタハイエースワゴンなど)と、乗車定員は8人乗り(お客様7人乗り)または7人乗り(お客様6人乗り)のミニバン系(トヨタアルファードなど)の二種類あります。
主に5~9名の少人数での移動に適しています。
ジャンボタクシーの料金
地域や各タクシー会社により料金は異なります。「時間制運賃(貸切)」と、「距離制運賃(メーター料金)」の二種類があり、中型車タクシーと比較すると20%程割高になります。
お客様から事前にご予約される際に、用途や要望を打ち合わせの上でどちらの運賃にするか決めて契約します。

時間制運賃(貸切)
例えば、30分までごとに4000円の時間制運賃を採用しているタクシー会社ならば、10時間の貸切で、(4000円×2)×10時間=8万円となります。
距離制運賃(メーター料金)
現行の中型車での「貸切」料金より、20%程割高になります。
【例】距離制運賃
車種区分 | 初乗り運賃(最初の1.5kmまで) | 加算運賃 |
ジャンボタクシー | 720円 | 約250mごとに100円 |
中型車 | 600円 | 約250mごとに80円 |
【例】時間距離併用運賃
車種区分 | 時間距離併用運賃 |
ジャンボタクシー | 時速10km以下までの運航時間について 90秒間までごとに100円 |
中型車 | 時速10km以下までの運航時間について 90秒間までごとに80円 |
※時間距離併用運賃とは、信号待ちや渋滞等で走行速度が時速10km以下となった場合の時間を、距離に換算して計算する運賃のこと。
車両代・車種指定料金
ジャンボタクシーは、「貸切」または「メーター料金」とは別に『車両代・車種指定料金』がかかることが一般的です。
※上記各料金は、地域やタクシー会社により異なります。
お支払い方法
お支払いは、未収扱いと現金支払いの2通りの選択肢があります。いずれにしても、ご予約された契約段階でお支払い方法を予め決めておきます。
未収扱い
後日銀行や郵便局等でのお振込、もしくは、仕事が完遂後にタクシーチケットやクレジットカードでのお支払いとなります。
現金支払い
仕事が完遂後に、現金でのお支払いになります。
ジャンボタクシーの予約方法・用途・乗務員
ジャンボタクシーの予約方法や用途、乗務員について解説します。
予約方法
ご利用には事前予約が一般的です。お客様と電話または来社していただくなりして、日時や料金、コース・車両選び・人数・お支払い方法等の打ち合わせをして契約します。
直に契約するケースと、旅行代理店等が紹介して(間に入って)契約するケースと二種類あります。
用途
プライベートな少人数の旅行から、冠婚葬祭・会社や団体、ゴルフ等のレジャー、イベント等のピストン輸送など、幅広い用途でご利用できます。少人数でワイワイガヤガヤと楽しく移動できるのが、醍醐味です。
過去に2度、結婚式当日の送迎をさせていただいたことがありますが、やや遠方の地方都市での身内の結婚式に、家族・親戚総出で出席される際にご利用いただきました。
このようなご利用も可能ですので、ぜひご検討下さい。

乗務員
一定の経験があり、会社から信頼されているドライバーが乗務します。通常業務で事故やトラブルが少なく評判の良い乗務員が、責任を持って運行することになります。
ジャンボタクシーは、通常のタクシー車両より大きくなるため運転に気を遣い、お客様の乗車人数も増えると責任も増すため、敬遠する乗務員もいます。
乗務員および車両の確保をしなければなりませんから、早めの事前予約をおすすめします。
ジャンボタクシーの車種
車種は10人乗り(お客様9人乗り)のワゴン車系、トヨタハイエースワゴン・日産NV350キャラバンワゴンと、8人乗り(お客様7人乗り)のミニバン系、トヨタアルファード/ヴェルファイアなどになります。
ミニバン系は車種により7人乗り(お客様6人乗り)もあります。
以下に簡単に特徴をまとめます。
トヨタハイエースワゴン・日産NV350キャラバンワゴン(ワゴン車系)
乗車定員は10人乗り(お客様9人乗り)になります。ただ商用車ベースなので、乗り心地はミニバン系よりもやや劣ります。
トヨタアルファード/ヴェルファイアなど(ミニバン系)
乗車定員は8人乗り(お客様7人乗り)または7人乗り(お客様6人乗り)になります。
ハイエースワゴンやNV350キャラバンワゴンより乗車定員が2~3人少なくなりますが、商用車ベースではなく、乗用車として設計されているため乗り心地が良く高級感もあり、VIPの送迎や観光に適しています。
ジャンボタクシーの安い利用方法
安く利用する方法として、2つご紹介します。
タクシー会社に聞く
前述しましたが、タクシー会社と打ち合わせの際に「貸切」か「メーター料金」、どちらが安いのか聞くのが一番手っ取り早い最善の方法です。用途や距離にもよります。
一般的には「貸切」が多いですが、距離が短いケースでは「メーター料金」もよくあります。
旅行代理店を通さない
旅行代理店を通すと、当然ですが旅行代理店がマージンを抜くので必然的に割高になります。プライベートな用途ならば、直接タクシー会社と交渉される方が安く済みます。
また観光で依頼されるケースでも、ジャンボタクシーの場合は専任スタッフが応対する会社が多いと思われますので、プランの作成などもご相談可能です。
観光やイベントなどの送迎では旅行代理店を通されることも多いですが、直接タクシー会社と交渉されても問題ありません。
ジャンボタクシーのキャンセル料金
事前にご予約されて、日程やコース・お支払い方法などを書面で契約することが一般的ですので、キャンセル時の対応についても契約条項に盛り込まれます。
よって、タクシー会社により異なりますしケースバイケースですが、例えば何日前のキャンセルで契約金額○○%の料金が発生するとか、当日現地へ日程通りお迎えに行ったにも関わらず、急にドタキャンした場合は契約金額の100%など、キャンセル料が発生するケースもあります。

ジャンボタクシーのメリット・デメリット
ジャンボタクシーをご利用される際の、メリット・デメリットをまとめます。
メリット:9名様まで1台でOK・要望に対応・移動が快適・急な予定変更も可能
- 9名様までであれば、1台のチャーターでご利用でき、仲間同士で楽しくにぎやかな移動が可能になります。
- 2台の中型車タクシーよりも、1台のジャンボタクシーの方が料金は安くなることもあります。
- 可能な限り、お客様の要望に沿ってご相談可能です。
- 車内が広く開放感があり、快適でリッチな優越感のある移動になります。
- 急な予定変更でも、乗務員に相談していただくと、融通が利くこともあります。
- ご利用人数が少なくても、お荷物が多いケースなどでご利用できることもあります。
デメリット:中型車よりも割高・小回りが利かない・旅行代理店を通すと割高
- 中型車タクシーよりも割高になるため、4名様以下のご利用には向いていません。
- 車両が大きいため小回りが利かず、あまり狭い道へ入って行くことができません。
- 旅行代理店を通してご予約されると、割高になります。
タクシーと同様に後席もシートベルト着用を!
2008年6月より後部座席のシートベルトの着用が義務化されて、既に10年以上が経過しています。
ジャンボタクシーにも、後席はシートベルトが備え付けられています。
乗車されるとわかるのですが、後席は広く開放的でマイクロバスの様な雰囲気もあります。また、非日常的な「ワクワク感」のようなものもあって、シートベルトをされないお客様がとても多いです。
ですが、このような車両は、急停止をした際に投げ出される可能性が高く、乗用車よりも危険な一面もあります。
私はたまにこの仕事が入ってくると、乗車されたお客様にはシートベルトの着用を促すのですが、一般道では着用してもらえないこともよくあります。
よって、運転手が着用するように促さなくても、後席でのシートベルトの着用を願います。

まとめ
「ジャンボタクシー」は、どこのタクシー会社にもあるわけではありませんが、5~9名様までの少人数の移動において、とても便利なタクシーです。
東京では、ジャンボタクシー専門会社もあります。
ただ、一般的にはあまり認知されているとは言い難く、料金も高額なイメージがあるようです。
プライベートで少人数で旅行されるときや、ゴルフ等のレジャーにもおすすめできる移動手段です。ぜひ活用していただきたいと思います。
また一般企業で、大切なお客様を複数名お迎えに行くときなどにも、最適です。
最後に余談ですが、乗務員の立場から言わせていただくと、日本ではチップの習慣はあまりないですが、観光などプライベートでご利用の際は、初めに運転手と対面したときに少額で結構ですので、包んでいただけると嬉しいです。
ぜひ、お近くのタクシー会社にお問い合わせの上、ご利用いただきたいと思います。

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