タクシー配車アプリは都市部だけでなく、地方にも対応可能になってきました。
都市部などで頻繁にタクシーを使われる方は、いくつかある配車アプリから利用したいアプリをインストールして、タクシーをすぐに捕まえようとされる方も多いと思います。
現在、国内のタクシー配車アプリ「GO」がダウンロード数No.1(2020年10~12月)で、私が所属するタクシー会社でも、その「GO」が導入されることとなりました。
スマホでGOアプリを起動し、現在位置からタクシーを呼ぼうとするときに、周辺にタクシー車両がいても、なかなか捕まらないこともあるのではないでしょうか?
そこで今回は、タクシー配車アプリGOにおいて、タクシーをすぐ捕まえたいときに捕まらない理由や、捕まえ方、Google PlayやApp Storeの口コミ低評価についても、サービス提供者側の現役ドライバーが詳しく解説します。
タクシーアプリGOの仕組み
まず利用者が、GOアプリでタクシーを呼んで到着するまでの仕組みを解説します。
タクシー配車アプリ「GO」は、車両を上から見たアイコンで前後方向も正確に表示され、空車車両が、スマホの地図上で表示されます。
それを見た利用者の現在位置と、この車両が一番近い、二番目三番目に近い車両が来てもらえる予測をして、画面上でタップして配車依頼をする仕組みのアプリです。
お客様が「GO」を起動し、周辺に空車が何台かあって、「今すぐ呼ぶ」をタップすることで何れかの車両に配車依頼通知がモニターに入ります。
タクシー車両側は、それを了解するとお客様の現在位置がモニターに表示、ナビゲーションされてその場所までお迎えに行く流れとなります。
GOアプリの配車受付時間⇒わずか10秒間
この配車依頼通知が車両モニターに入ったとき、その受付時間はわずか10秒間で、その10秒間にモニターに表示される「了解」ボタンを押さないと、別の周辺の車両に配車依頼が通知されることになります。
所属会社からは、可能な限りアプリ配車から受けるように指示されていますが、受けられる状況であればいいのですが、受けられないこともよくあります。(理由は後述)
お客様が乗車されると車両アイコンは消える
お客様が乗車されてメーターの「実車」ボタンを押すと、「空車」ではなくなるためスマホ上で表示されている車両アイコンは消えます。
乗客が降車され空車になると、アイコンが表示されるようになっています。
アプリ配車一時停止機能もある
車両モニターにて任意に、アプリ配車を一時停止にすることも可能で、その場合利用者のアプリ上の地図では、アイコンが表示されなくなります(そこに車両がいない前提になります)。
タクシーアプリGOすぐ捕まらない理由
ではなぜ、近くに空車車両がいることをスマホで確認できるているのに、その車両が来ないのか?拒否されてしまっているのか?と疑問に思ったことはありませんか?
空車車両が利用者の近くにいても、すぐ捕まらないこともある理由について解説します。
無線配車でお迎えの移動中(乗車不可)でも空車表示される
お客様がタクシーを呼びたいとき、タクシー会社へ電話をして車両を呼ぶ「無線配車」がありますが、従来はこの方法しかありませんでした。
この「無線配車」の指示を受けた場合、その場所へお迎えに行く移動中は、当然ですが乗車不可となります。
ですが、その指定の場所へお迎えに行く移動中でも、アプリ上の地図では車両アイコンが表示されており、アプリ利用者からみれば乗車可能な空車車両に見えます。
つまり、会社から無線配車を受けて指定場所へ走行中でも、利用者から見れば、スマホ上では空車車両(実際は無線配車中でも)という認識になります。
利用者からは、
- 無線配車でお迎えの移動中(乗車不可)なのか?
- 乗車可能な空車車両なのか?
が判別できません。
よって、利用者の近くに無線配車中(乗車不可)の車両がいた場合、このタクシーを捕まえようとしてGOアプリで「今すぐ呼ぶ」をタップし、その車両に配車依頼通知が入っても、運転手は了解ボタンを押すことができずにスルーすることになります。
結果、タクシーがすぐに捕まらない、近くにいるのに無視された、拒否されたと利用者は思うことになります。
なぜアプリ配車一時停止機能を使わない?
上述しましたが、「『アプリ配車一時停止機能』があるなら、それをONにすればいいじゃないか?」と思われる方も多いと思いますが、任意で設定するため、無線配車があるごとにいちいちON/OFFしていたら面倒ですし、仕事中は忘れていることも多いので、それをしない運転手も多いのが実状です。
後述しますが、アプリ配車依頼が自車に入ってもスルーすることもできるため、わざわざOFFにするのも煩わしいというのも、理由のひとつです。
配車依頼を積極的に受ける運転手ばかりではない
また、空車状態であっても全ての運転手が、アプリからの配車依頼を積極的に受けるとは限りません。
その理由を解説します。
よく理解していない運転手はアプリ配車を受けないことも…
運転手は新しいシステム導入にあたり、社内で1~2時間の講習を受けているはずですし、新人の場合は研修で教わるのですが、特に年配の運転手はよく理解していなかったり、その場にお客様が不在のときには連絡を取るなどいくつかしなければならないことがあり、面倒くさくてやりたがらない運転手もいたりします。
アプリ配車を受けるかどうかは運転手個人の判断
アプリ配車を受けるかどうかは、運転手個人のその場の判断であり、配車依頼が車両に入ってから10秒間で了解ボタンを押さなかった場合、他の近い車両に配車依頼が入るため、自分がアプリ配車を受けなくても他の車両が受けることになります。
つまり、どうしても自分がアプリ配車を受けなければならない、というわけではありません。
例えば、年金を貰いながらアルバイト契約している年配の方など、人にもよりますが、ガツガツやらない運転手はスルーする方もいます。
管理人は、トイレやLPG燃料を入れに行こうとしているときに、アプリ配車依頼が飛んできた場合は、基本的にスルーしています。
忘新年会・歓送迎会シーズンの週末⇒駅待ちのお客を優先するかも…
忘新年会が行われる12月~1月の週末、歓送迎会が行われる3~4月の週末は、21時頃以降になると、主要駅のタクシー乗り場にお客さんがタクシーを求めて集まる傾向があるため、ドライバーはアプリ配車が入ってきてもスルーして、駅待ち客を優先することもあるかもしれません。
ドライバーや地域にもよるので一概には言えませんが、このようなシーズンの週末は駅待ちでロングのお客さんも見込めるため、普段はアプリで配車依頼があるとその仕事を受けていても、意図的にスルーして駅に向かうドライバーもいたりします。
結果的に、「なかなかタクシーが捕まらない!」といったことも出てくるかもしれません。
根気よくアプリで呼ぶか、駅に近ければ歩いて駅でタクシーを拾うといったことも考慮して下さい。
タクシーアプリGO捕まえ方
では、GOアプリのタクシーの捕まえ方のコツを紹介します。
タクシー乗り場周辺は乗車不可能なエリアがある
捕まえ方のコツを紹介する前に、GOアプリには「乗車不可能なエリア」(赤枠)が設定されていることを、理解しておきましょう。
GOアプリを見るとわかるのですが、駅などのタクシー乗り場周辺は、乗車不可能なエリアを赤枠で囲ってあり、色づけされています。
理由は、駅などのタクシー乗り場周辺では、
- 「そのタクシー乗り場に行ってタクシーに乗って下さいね」
- タクシー車両同士のトラブルを防ぐ
2つの意味があります。
仮に、乗車不可能なエリアをアプリ側で設定していない場合、駅などのタクシー乗り場周辺で利用者がアプリを利用されると、タクシーはその乗り場に集まってきますから、どの車両がアプリで配車されたのかがわかりづらくなります。
もしも利用者が無関係の車両に乗車してしまうと、タクシー同士でトラブルにつながってしまうからです。
よって、特別な場所や駅などのタクシー乗り場周辺では、乗車不可能なエリアを設定し、そのエリア内に利用者がいれば、アプリを使わずタクシー乗り場から乗って下さいと促す意味もあります。
また、空車車両が赤枠内に入ると、車両表示は消えて乗車不可となります。
乗車不可能なエリアで車両アイコンが表示されている?
ですが、赤枠で囲ってある乗車不可なエリアであっても、車両アイコンが表示されていることがあります。
このケースについて解説します。
駅前がロータリーになっており、タクシー乗り場で待機している車両です。
通常、運転手が何も操作しなければ、上記で述べたように赤枠内に進入すると、車両アイコンの表示は消えますが、運転手がGOアプリを受け付けたい場合、車両側で操作し受け付けることもできます。
タクシー会社や各営業所により「待機ルール」が異なるので一概には言えませんが、例えば、待機車両列に並び先頭車両になった場合は、GOアプリを受け付けることができるといったルールを定めているところもあります。
よって、赤枠内でも車両アイコンが表示されていることがあり、このような車両は、
「仕事がしたい!GOアプリで呼んでもらいたい!」
と思っている車両なので、本記事の趣旨である「捕まえる」ということについて、狙い目ではあります。
空車で乗車可能な車両を見極める方法
駅などのタクシー乗り場周辺には、空車車両のタクシーが集まってきます。
アプリでチェックするコツとして、「乗車不可能なエリア」に向かって走行している車両は、空車車両の可能性が高いということです。
逆に、「乗車不可能なエリア」から外へ出ていく走行車両は、無線配車中の予約車両(乗車不可)である可能性が高いということになります。
車両位置はGPSでリアルタイムで拾っていますから、車両走行中はアイコンも動くため容易に確認できます。
これらを踏まえて、空車車両を見極めて予測を立てることにより、利用者の位置やタイミングにもよりますが、GOアプリにてタクシーを捕まえやすくなります。
車種を指定したいとき
エリアによっては、車種を指定することが可能です。
詳しくは、別記事のこちらをご覧ください。
タクシーアプリGO低評価について
Google StoreやApp Storeで、いくつかあるタクシー配車アプリからインストールしようとする際に、誰しも「口コミ」を見ますが、低評価を付けて辛辣なコメントを書いている方も少なくありません。
主だって低評価を付けている理由は、大別すると以下の3つになるようです。
タクシーが目安時間に来ない
運営会社の株式会社Mobility_Technologiesは、「過去のデータと照らし合わせて算出している」とコメントされていますが、運転手側から言わせてもらうと、平日朝夕の通勤時間・土日祝日の混雑・渋滞は、エリアによってまちまちであり、特に1~3月の年度末はあちこちで道路工事をするなど、目安時間通りには到着しないこともしばしばあります。
迎えに来たタクシーの場所がズレている
意外に思ったのが、GPSの位置情報がややズレていることもあるようです。
管理人が住む地域では、地方なのでそのような印象はありませんが、都市部で高層ビルや建物が多いところではそのようなこともあるのかもしれません。
カーナビでも住宅団地を走行すると、時々上手く位置を拾えなくて道が1本ズレていたりすることもあります。
GPSは地球の大気圏外から衛星の電波を拾っているので、100%完璧に正確に位置を拾えないこともあるのではないでしょうか。
個人的には、あまり完璧を求めずに、ある程度アバウトに「そういうものだ」と割り切った考え方で利用されるのがよろしいかと思います。
どのタクシーアプリに関してもそうですが、長所ばかりをアピールしているため、短所や内実を利用者に知られていないことで、低評価を付ける方も少なくありません。
運転手の質が低いのはアプリ側の問題ではない
またGOアプリで呼んだタクシー運転手が、接客態度やアプリに対する理解度、道がわからないなど、たまたま良くなかったことで、低評価を付けられている方もみえますが、それはアプリ側の問題ではなく運転手側の問題です。
「アプリで呼んだ運転手の対応が良くなかったので、二度と利用しない!」というのは、システム上の問題でなければ見当違いではないかとも思います。
普及し始めてそう時間が経過していないこともあり、システム上の不具合や運転手の理解度等についても不慣れな側面もあるのは否めません。
よって、クレームを入れないと我慢がならないと思われるケースでは、そのタクシー会社や個人タクシーなら個人タクシー協会に苦情を申し出るのも一つの方法です。
まとめ
最後にまとめると、
【GOアプリでタクシーを呼んで到着するまでの仕組み】
- GOアプリは利用者の現在位置から近い空車車両に配車依頼通知が入り、その受付時間は10秒間で、その間に了解した車両が利用者の元へお迎えに行く流れになる。
- お客様が乗車中(実車中)のときは、アプリ上のアイコンは消えて、空車になると表示される。
【GOアプリですぐ捕まらない理由】
- 会社からの無線配車でお迎えの移動中(乗車不可)でも、アプリ上は空車として表示される。
- アプリの配車依頼を積極的に受ける運転手ばかりではない。
【GOアプリ捕まえ方のコツ】
- 駅などのタクシー乗り場周辺は「乗車不可能なエリア」になっており、空車車両がそこに集まってくるので、「乗車不可能なエリア」に向かっている走行車両を見極める。
【GOアプリの口コミ(低評価)について】
- 「表示された目安時間に到着しない」「迎えに来たタクシーの位置がズレていて会えない」などが散見されるが、道路状況や地形・建物、その他外部環境により、到着の遅れや正確な位置検出ができないこともある。
- 交通状況やGPS測位など外部因子で変化するため、アバウトに考えるのもひとつのやり方。完璧を求められても難しい側面もある。
といったところでしょうか。
やはり地方はタクシーを呼ぶとなると、今でもタクシー会社に電話をすることが多く、GOから呼ばれることは頻繁にはありません。
ですが、今後は都市部から若年層を中心にタクシー配車アプリが普及していくことが予想され、運営会社も不便な箇所は改善・修正し、対応エリアの拡大、タクシー会社との提携も増やしていくでしょう。
もし、まだスマホにダウンロードしていない方は下記バナーよりお願いします。
<広告>
東京近郊の方は、こちらのタクシーアプリ「S.RIDE」もおすすめで、ソニーグループがAIとIT技術を活用して開発したタクシー配車アプリです。
東京都内のタクシー3台に1台が対応しており呼びやすく、他にも、神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県・宮城県・愛知県・大阪府・宮崎県の各府県一部のエリアでも、タクシー会社と提携しています。
<広告>