タクシーにお客様が乗車されるときは、乗務員が後部座席左ドアを運転席から操作して開け、乗車後に挟まれることがないように確認してから閉める、目的地に到着後、安全を確認してから開けて降車していただくのが、一連の流れになります。
日本ではこれが一般的ですが、時々、自分でドアの開閉をする方がいます。
タクシー乗降の際、ドアの開閉に関して、乗客はどうすることが正しいのでしょうか?
そこで今回は、お客様がタクシーに乗降するときのドアの開閉全般について、解説します。
タクシーのドアは自分で閉めるのはマナー違反
日本において、タクシーのドアは後部座席左側は、運転席からの操作でドアの開閉が可能になっています。
後部座席左ドア(マナー違反)
お客様が乗車してドアを閉めるのは、後部座席左側ドアにおいては乗務員に任せるのが、一般的です。マナーと言い替えてもいいでしょう。
クラウンセダンの上級グレード、「スーパーデラックス・スーパーサルーン」は、エアーでドア開閉をするやや複雑な機構で、廉価版の「コンフォート」はレバー式で構造も単純な機構で取り付けられています。
近頃増えてきたタクシー専用車のトヨタジャパンタクシー・日産NV200(タクシー仕様)や、シエンタ等のミニバン系は、スライドドアでの開閉となります。
よって、ヒンジドア・スライドドアとも、乗客側からすると「自動ドア」と称していますが、乗客が手動で閉めないだけであって、実際は乗務員がドアの開閉を操作しています。
ヒンジのドア、スライドドアに限らず、後部座席左ドアの開閉は乗務員に任せましょう。
助手席ドア(基本的にお客様が閉める)
3~4名での乗車においては、助手席への乗車も伴いますが、助手席への乗車時はお客様自身で、閉めていただかなくてはなりません。
後部座席右ドア(ケースバイケース)
基本的に、後部座席左側からお客様は乗車されますので、右側は開けませんが、お迎えに行った時に、道路ではない駐車場などでは、車両右側からお客様が来られた時などは、右側ドアから乗車されることもあります。
例えば、お年寄りや障害者の方が後席左側に乗車されたときに、付添人の方が後席右側に乗車されるのですが、そのお年寄り等の方が右側へ移動しにくい・できない場合は、付添人の方は後席右側ドアから乗車していただくこともよくあります。
このケースでは、ドアサービスが可能であれば、乗務員が外からドアを開閉することになりますが、複数の乗客でトランクへスーツケース等荷物を積んでいるなど、手が離せないケースでは、お客様自身でドアを閉めていただくこともあります。
タクシーを降りる時ドアを自分で開けるのもマナー違反
目的地に到着後、後部座席左側のドアをお客様自身が開けるのも、マナー違反です。
乗務員は、ドアを勝手に開けられると、内心腹が立つこともあります。
理由1:ドア開閉時の事故を防ぐ
お客様が乗車後にドアを閉める分には、第三者に影響はないですが、お客様の指示でタクシーが停車するところは、道路上であることも多く、乗務員は周囲に注意を払っていますが、後ろから自転車やバイク、歩行者が近づいてくることも予想され、後方の確認もせず勝手にドアを開けられて、事故が起きることも考えられます。
乗客が安全確認を怠って、勝手にドアを開けて降りようとしたときに、後方から自転車が来ていて、衝突事故が起きた場合でも、乗務員の責任になります。
理由2:乗り逃げを防ぐ
もうひとつは、防犯上の理由で、「乗り逃げ」を防ぐ意味合いもあります。
内側ドアハンドルにカバーが取り付けられていると、勝手にドアを開けにくい状況になり、視覚的な防犯効果もあります。
対策:後部座席ドアハンドルにカバーを取り付ける
お客様が勝手にドアハンドルを開けないように、ドアハンドルにカバーをすることで、ドアを容易に開けることを防ぎます。
タクシー会社により、規定は異なるかもしれませんが、タクシー用の「内側ドアハンドルカバー」があって、乗客に容易に開けられないように取付けることができます。
タクシー車両はLPG仕様のクラウンセダンには、専用の「内側ドアハンドルカバー」があって、溝に沿って容易に取外しが可能になっています。
管理人は、後部座席左右両方の内側ドアハンドルに、カバーを取り付けて、乗客に容易に開けられないようにしています。
乗務員は、お客様の想像以上に、ドア開閉には気を遣っており、道路沿いで停車して降車される際は、フェンダーミラーと目視で後方を確認します。
助手席(基本的にお客様が開ける)
特に乗客3名以上で、助手席から降車されるお客様は、全てと言ってもいいくらいの大多数の方が、後方を確認せずにドアを開けるので、気を遣います。
駅周辺や繁華街など、自転車や歩行者が多い道路で降車していただくときは、「後ろ確認してからドアを開けて降りて下さい!」と注意喚起したり、自転車等が近づいてきたときなどは、大声で「ちょっと待って!」と叫ぶこともあります。
管理人の住んでいるところは地方なので、自転車やバイクがすり抜けて行くということは、あまりありませんが、都市部では、ウーバーイーツ等の配達や自転車通勤も多いと思われますから、地方のドライバーとは比較にならない程、気を遣っていることでしょう。
後部座席右ドア(安全のため内側から開けられないようにしている)
後部座席右側にも「内側ドアハンドルカバー」を取り付けたり、トヨタジャパンタクシーなど、その他の車種をタクシー車両としているケースでは、専用のドアハンドルカバーがないため、チャイルドロックをONにして、内側からドアを開けられないようにしている乗務員も多いです。
上述しましたが、後席左ドアからお年寄りや障害者等が乗車されて、付添人が後席右側から乗車された場合は、乗務員がドアサービスをして、後席右ドアを先に開けて付添人が降車後に、乗務員が後席左ドアに回ってドアを開けて、付添人に降車を手伝っていただくといったことも多々あります。
チャイルドロックは、文字通り子供が勝手にドアを開けないように、内側からは強制的にドアが開かない状態にするので、外側からは(ロックがかかっていなければ)ドアは開きます。
よって、ドアサービスという形で、乗務員が外から開けることになります。
道路状況にもよるので一概には言えませんが、基本的に交通量の多いところでは、後席右ドアを開けるのは危険なので、後席左ドアから降車していただくことになります。
まとめ:タクシーのドア開閉(後部左ドア)は乗務員に任せる
最後にまとめると、
- タクシーの後部座席左側の開閉に関しては、乗務員に任せるのがマナー。
- 勝手にドアを開けられると危険なので、後部座席には内側のドアハンドルカバーを取り付けていたり、右側ドアはチャイルドロックをかけている車両も多い。
- 大多数の乗客は後ろを確認せずにドアを開けるため、乗務員はドアの開閉には常に気を遣っている。
- 道路上で停車したときには、後方からの自転車やバイク等の接近に気を遣う。
といったところでしょうか。
ニ種免許取得時にも学科で勉強するのですが、乗務員はドアの開閉事故にも、注意を払っています。
タクシー会社や乗務員にもよるのですが、管理人はドアの開閉時には、声を掛けるようにし、乗車されたら「ドア閉めますね」、降車されるときは「ドア開けますね」と言うようにしています。
車外での自転車等への衝突事故もそうですが、乗客にも手や足の挟まれ事故が起きることもあるので、動きの遅いお年寄りの方等には特に気を遣います。
よって、タクシーの乗車で最も多い後部座席の左側に関しては、ドアの開閉は乗務員に任せましょう。
いずれにしても、降車されるときは、後ろを確認してからドアを開けていただく癖をつけてほしいと思います。