映画「沈黙のパレード」の序盤、沿道ではパレードが行われている最中に食堂「なみきや」で、昼営業で最後の女性客が『刺身定食』を注文して食べているシーン後、見物中の夏美に電話があり、店に戻って来るように母親から電話があったシーンがありました。
このシーン、並木祐太郎がエプロンを外す、真智子と女性客が会話を交わす、夏美が電話を受けたときに風船を飛ばすなど、ふんだんに伏線を張っていましたが、腹痛を起こしたのがこの女性客と思われる演出であり、エンディングで「新倉が雇った女性」とするこの客は一体誰なのか?
そこで今回は、「沈黙のパレード」で演者さんも含めてこの腹痛の客は誰なのか?また夏美に関しても、このときなぜ店に戻らなければならなかったのか?についても原作から紹介します。
沈黙のパレード・腹痛の客は誰?
パレードが行われている最中に「なみきや」で食事をしていた女性客について、解説していきます。
腹痛の客は家族代行業者の「ヤマダ」さん
腹痛になったランチの女性客は、新倉直紀が『並木祐太郎が遂行する、液体窒素を使って蓮沼を尋問する役割』を奪って、蓮沼を殺害するため、彼を「なみきや」で足止めする目的で依頼した「家族代行業者」の女性で、「食事後に気分が悪くなり、病院に連れて行ってほしい」とした芝居を依頼し、その女性は「ヤマダ」と名乗ったが、本当の名前は新倉夫婦も知りませんでした。
引用元:映画「沈黙のパレード」
「家族代行業者」とは、「レンタル家族」と呼ぶ業者もあり、依頼主の希望通りの家族や、他にも様々な芝居を演じられる役者を派遣してくれるところで、
本当の目的を正直に話すこともできないので、「菊野商店街に加盟している店の、危機管理能力の抜き打ち検査」と説明したと、新倉留美は湯川に証言しています。
原作では「小太りの女性」ということだったので、演者のしゅはまさんはスマートなイメージですから、少し拍子抜けしてしまいました^^;
キャスト⇒しゅはまはるみ
ランチの客役として出演されていたのは、エイベックスマネジメント所属のしゅはまはるみさんです。
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一般的にはあまり知られていなくて、芝居能力の高い役者さんが求められるところで、大手事務所所属の彼女がキャスティングされたと思いますね。
プロフィール
名 前 :しゅはまはるみ(Shuhama Harumi)
生年月日:1974.9.29
出身地 :東京都世田谷区
血液型 :B型
サイズ :T165cm
【略歴】
高校より芸能活動を始め卒業後フリーに。劇団東京乾電池に入団、「しとやかな獣」では柄本明の娘役に抜擢。ナオミ・キャンベルに変身するTBCのCMにも出演。地道に俳優活動を続け、映画『カメラを止めるな!』では、主人公の妻・日暮晴美役で大ブレイク。映画、ドラマ、バラエティ、舞台、CMと幅広く活躍中。
引用元:エイベックス・マネジメント株式会社 公式HP
X・インスタ・アメブロ・YouTubeと、SNSで情報発信もされています。
Xのプロフィール欄を見ると、RIZAPで15kg減量後45歳でグラビアデビューされています。
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YouTubeはここ最近の更新はありませんが、どんな感じの人なのかわかります。
劇中のセリフや佇まいなど、そのままの女優さんみたいですね。
経歴
【ドラマ】
- テレビ朝日「王様戦隊キングオージャー」第47話ゲスト出演(2024.2.4)
- MBS「彼女と彼氏の明るい未来」準レギュラー(2024.1.11~)
- テレビ朝日 松本清張 二夜連続ドラマスペシャル第一夜「顔」
- 読売テレビ「帰ってきたらいっぱいして。」準レギュラー(2023.10.19~)
- TELASA「家政負のヒカル」「家政婦のミタゾノ」スピンオフドラマ
- 日テレ系「ブラックファミリア~新堂家の復讐~」準レギュラー 他多数
【映画】
- 「100秒の拳王~ケンカバトルロワイアル~」(’24夏公開予定)
- 「愛のこむらがえり」「MONDAYS」「不倫ウィルス」他多数
【舞台】
- 「銀河鉄道の父」「椿説三銃士」他多数
【MV】
- 日向坂46「One Choice」マネージャー役 etc.
引用元:エイベックス・マネジメント株式会社 公式HP
上記略歴で、当時22~23歳頃の芸名「主浜はるみ」さんがTBCのCMに出演されて、なおみ⇒ナオミキャンベルに変わるという、インパクト絶大のCMに出演されていて、覚えてみえる方も多いのではないでしょうか?
MVでは、日向坂46のマネージャー役で、冒頭セリフ付きで出演されています。
元国民的アイドルグループの某マネージャーをイメージしているのかも?と勝手に思ってしまいました^^;
上記本人のインスタにもアップされていますが、楽天Kobo電子書籍から、「週刊ポストデジタル写真集 しゅはまはるみ オンナを止めるな!【電子書籍】」を発売中です。
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沈黙のパレード・腹痛の客でなぜ夏美は店に戻ったのか?
このシーンで映画版では、時間短縮やカットされたセリフがあったため、わかりづらかったところもありました。
「原作と映画版との比較」と「夏美が店に戻った理由」を解説していきます。
原作と映画版の比較
【原作】
原作では、湯川と夏美はパレードが始まりしばらく一緒に見て、平日は夜の営業だけで昼はしないが、土日は昼も店を開けるため、夏美は一旦店に戻って手伝いをしてから、湯川のところに戻ることにしており、腹痛を起こしたと思われる女性客は、牡蠣フライを注文したことまで覚えていた。
その後、映画版と同様にパレードに戻り母親から呼び出されて、再び店に戻ることとなります。(理由は後述)
引用元:映画「沈黙のパレード」
ちなみに、牡蠣の旬は冬とされており、撮影時期は夏場のため、刺身は年中どこでも食べられるからか、原作の牡蠣フライから「刺身定食」に変更されたものと、個人的には推測します。
引用元:映画「沈黙のパレード」
【映画版】
映画版では、夏美は昼営業の際に店を手伝わず、湯川とパレードの見物中に母親から電話があり、腹痛の客が出て、急遽店に戻らなくてはならなくなったと湯川に言い残して、その場から立ち去りました。
「お父さんとお母さんが病院に連れて行くので、夏美は店に戻ってきなさい」という内容。
「1時ラストオーダー」で「刺身定食」がおすすめメニューの最上部に書かれています。
1時丁度に店を閉め、
飯尾さんの演技から、覚悟を決めて臨む悲壮感が感じられます。
引用元:映画「沈黙のパレード」
店主の並木祐太郎は、店を閉める午後1時にエプロンを外してパレード会場に向かおうとしていることからも、腹痛を起こしたのは昼営業最後のお客さんの女性であることは明白で、それならば店を閉めていけばいいことなのに、夏美はなぜ戻らなくてはならなかったのか?
ちなみに飯尾さんは、第65回ブルーリボン賞 助演男優賞を受賞されています。
夏美が店に戻った理由
原作では、並木祐太郎が自家用車ですぐに腹痛を起こした女性客を病院へ運び、免許を持っていない真智子は後から病院へ様子を見に行くから、夜営業のために、火をかけたままにしておかなければならない鍋があるため、夏美を店に呼び戻したとあります。
夏美も年に一度のパレードとはいえ、家の緊急事態が生じたため、素直に応じたと思われます。
これは、原作からカットされていたので、疑問に思いつつ流されてしまったところかもしれませんね。
まとめ
最後にまとめると、
【腹痛の客は誰?】
- 「なみきや」で、腹痛を起こしたとされるランチの女性客は、ヤマダさん。
- 新倉直紀が、元は戸島が立てた計画を利用して『並木祐太郎が遂行する、液体窒素を使って蓮沼を尋問する役割』を奪い、蓮沼を殺害するため、彼を「なみきや」で足止めする目的で依頼した「家族代行業者」の女性で、本当の名前は不明。
- 原作との違いは、夏美は湯川とパレードを見に行き、昼営業が始まる頃に一度店に戻って手伝いをしているが、その時この女性を見て覚えており、牡蠣フライを注文している。(映画版では刺し身定食)
- 演者は、エイベックス・マネジメント所属のしゅはまはるみさん。
【なぜ夏美は店に戻ったのか?】
- (原作から)夜営業までに、火をかけておかなければならない鍋があって、母親は夏美を呼び戻した。
といったところでしょうか。
引用元:映画「沈黙のパレード」
ヤマダさんが「なみきや」で食事をするシーンの前後では、いくつものカット割りを入れて伏線を張り、湯川が真相を暴いたその伏線回収は「新倉が雇った女性だった」というだけで、新倉とどういう関係なのか?何者なのか?と原作を読んでいないと、理解しづらいと思います。
ですが、戸島が立てた当初の計画を狂わせるキーとなる登場人物で、結果として新倉夫婦が逮捕されることになった彼女の存在は、この作品において印象深いものとなったのではないでしょうか。