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沈黙のパレード・増村最後のゴミ回収(収集車)の意味は?役者についても

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映画

映画「沈黙のパレード」で、増村栄治の最後の「ゴミ回収シーン」は、原作をそのまま再現したのではなく、増村の壮絶な人生を回想する1シーンであるとともに、映画製作サイドは、時間の都合上凝縮して、愛した妹とその娘を重ね合わせた、悲しいエンディングを描いています。

映画版では原作と比較して、増村の過去の説明を大幅に省いているため、やや薄っぺらく感じるのも否めません。

そこで今回は、映画版ではわからないこのシーンの深い意味と、演者さんについても簡単に紹介していきます。

この記事に書いてあること

映画「沈黙のパレード」において、

✅映画版では省略された「増村栄治の生い立ち~生きてきた経緯」

✅増村最後のゴミ回収シーンの意味。

✅増村役の役者さんの略歴や、主だった近年の出演作品。

について、原作を中心に紹介・解説しています。




沈黙のパレード・増村最後のゴミ回収(収集車)の意味は?

増村は事件後、菊野市を離れて新たにゴミ回収業者に再就職し、事件に遭った当時の同年代の妹とその娘を想起させるシーンですが、その裏に隠れた増村の壮絶な人生は、サラっと草薙刑事が取調室等で言ってはいるものの、原作を読んでいないとわかりにくいところもあったのではないでしょうか?

ここでは、原作から増村の壮絶な人生・生き様を、順を追って簡潔にまとめていくとともに、最後のゴミ回収シーンについても、考察を交えて紹介していきます。

 

増村の壮絶な人生

増村の生い立ちから、蓮沼に復讐しようとする戸島の計画に乗るまでを紹介します。

 

増村の生い立ち

増村栄治の両親は、栄治が6歳のときに離婚、母親に引き取られ8歳のときに再婚するも、その父親は5年後他界し、9歳下の異父の妹「由美子」ができた。

母親の貴美子は、夜は水商売をし、栄治は中学卒業後に電機メーカーに就職、高度成長期真っ只中、三交代勤務で働き、大半を実家に仕送り、やがて母親は倒れて他界。

高校1年の由美子は全寮制の学校に転校させ、全ての費用を栄治が負担する。

 

傷害致死で3年服役

増村はアパートで隣人トラブルを起こし、不可抗力ではあったが傷害致死で3年服役することとなり、妹の由美子は情状証人として出廷し、服役中も手紙を出したり、裁判でも兄は自分の生活を犠牲にしてでも守ろうとしてくれたと、兄をとても慕っていた。

 

妹の由美子は結婚・優奈が生まれ事件に巻き込まれる

由美子は高校卒業後、自動車メーカーに就職し、修行のために来ていた子会社の社長の息子「本橋誠二」と結婚することになり、栄治も前科者である自分のことは隠し通すことを条件に承諾。

やがて、「優奈」が生まれ、物心がつく前は連れてきて会っていたが、その後は手紙や写真を貰うようになり10年程経った頃、優奈は行方不明になり、その1か月後に憔悴した由美子は自ら命を絶つ。

引用元:映画「沈黙のパレード」

その後、本橋の会社の元従業員の蓮沼が逮捕されるも、証拠不十分と黙秘を貫き無罪に。

 

増村は蓮沼を探し出し復讐の機会を窺う

増村は蓮沼に復讐を誓うも、行方不明で長い年月が流れたのち、同僚から手掛かりを掴み、蓮沼の勤務先(現在の廃品回収業者)に転がり込んで、真相を聞くために彼に近づく。

だが蓮沼は突然姿を消し(並木沙織を殺害したため)、彼女の死体遺棄罪の公訴時効である3年後、火事になった蓮沼の実家から彼女の遺体が見つかり、再び証拠不十分と黙秘で釈放。

増村に蓮沼から連絡があり、アパートを追い出されたから居候させてほしいと言ってきて、千載一遇のチャンスと思い快諾する。

引用元:映画「沈黙のパレード」

 

酒を酌み交わし本橋優奈〇害を認める

蓮沼がなみきやで傍若無人に振る舞ったことも聞き、酔ったドサクサに優奈の〇害を認める発言を聞き出し、寝ているときに包丁で刺そうとしたが、殺したいのが自分だけではなく、並木さんも同じであることに気付き、思い留まる。

 

増村は「なみきや」へ行き共に復讐することを提案

増村は「なみきや」へ行き、この20年蓮沼に復讐することを考え生きてきたことを伝え、共に復讐することを提案するが、並木祐太郎はその前に真相を聞き出したい、考えさせてほしいと言って、連絡先を交換した。

引用元:映画「沈黙のパレード」

 

戸島の計画に協力する

戸島が立てた計画に乗り、並木祐太郎に全てを委ねる形で、増村は蓮沼に睡眠薬を飲ませることと、引き戸の金具を外す役割を担い、自身は防犯カメラの付いているところで完全なアリバイを作ることにした。

ここわた
ここわた

原作ではネットカフェですが、映画版では「パチンコ屋」に変更されています。

引用元:映画「沈黙のパレード」

ここわた
ここわた

映画版では戸島が計画を全て立てたようにしていますが、原作では並木祐太郎が発案者で、それを戸島が綿密に計画しています。

 

増村最後のゴミ回収シーンの意味

これが増村が生きてきた人生であり、映画版ではそのほとんどが省かれていたため、最後のゴミ回収シーンで、彼の生き様を短時間で表現したのではないでしょうか。

当時の優奈と同じくらいの娘が、ゴミを出しに行って間に合わず、増村がそれを持ち、由美子と同年齢くらいの母親が家から出てくるシーン。

引用元:映画「沈黙のパレード」

増村にとって、時間は23年前(映画版では15年前設定)で止まっていて、幸せそうな母娘を見て由美子と優奈を重ねた、悲しいエンディングの回想シーンであり、増村がその後どうなったのか?罪に問われたのか?を示すところでもあります。

赤の他人の母娘を見る増村の眼差しは、由美子と優奈に向けていた優しい善人の顔であり、自身も妹もその娘も、犯罪に巻き込まれた気の毒な登場人物です。

 

増村の最後はどうなった?

エンディングで、内海が「〇人の共同正犯もしくは〇人幇助で検討中」と言っていたことから、このあと逮捕される可能性があるということになります。

引用元:映画「沈黙のパレード」

 

原作を読んでいる方のXの感想

原作を読んでみえる方のXをごく一部ですが、紹介します。

ここわた
ここわた

原作を読んでみえる方の多くが、「増村のバックボーンを省略しすぎ」と言われています。尺の都合上仕方がないですが、もったいなかったと思いますね。




沈黙のパレード・増村栄治役は誰?⇒酒向芳

改めて紹介するまでもないかもしれませんが、映画「沈黙のパレード」で「増村栄治」役を務めたのは、神奈川県にある芸能事務所「アニマ・エージェンシー」所属の酒向芳(さこうよし)さんです。

 

プロフィール

名 前 :酒向 芳(Sakou Yoshi)

生年月日:1958.11.15(2024年現在・65歳)

出身地 :岐阜県

身長・体重:184cm・70kg

趣味・特技:タップダンス・剣道

略 歴 :兄が1人・姉が3人、ご結婚されていて子供が1人(2023年で8歳)いることを公表。オンシアター自由劇場に入団し、退団後は劇団「いらっしゃい」を立上げ、演出にも携わる。舞台役者からスタートし、映画やドラマで活躍されています。

引用元:アニマ・エージェンシー公式HP Wikipedia 他

 

経歴

ごく一部を紹介すると、

2021年10月期のTBSドラマ「最愛」に出演され、Web限定スペシャルインタビューとしてYouTubeに挙がっています。

人物像がよくわかりますね。11万回再生されています。

NHK大河ドラマには、「龍馬伝・軍師官兵衛・青天を衝け・どうする家康」と4作出演されていますが、2023年「どうする家康」には『明智光秀』役を怪演されており、視聴されていた方は覚えている方も多いと思います。


2018年の木村拓哉&二宮和也W主演の映画「検察側の罪人」では、二宮さんと凄い掛け合いの芝居をされていました。

2020年公開「カイジファイナルゲーム」では、序盤ギャンブル狂いの小宮山大臣役で出演されています。

引用元:カイジファイナルゲーム

ここわた
ここわた

名脇役ですね。

 

まとめ

最後にまとめると、

  • 増村栄治の最後「ゴミ回収シーン」は、事件に巻き込まれ命を落とした9歳下の愛した異父の妹「由美子」とその娘「優奈」を回想する悲しいエンディングの1シーンで、彼の人生を短時間で表現している。

 

  • 映画版では時間の都合上、増村のバックボーンについては、大幅に省略されていて、彼の存在はやや薄っぺらい印象は否めないが、各シーン短い尺ながら高い演技力で視聴者を魅了した。

 

  • 増村栄治役は、アニマ・エージェンシー所属の酒向芳(さこうよし)さんで、脇役で存在感を放ち続ける名優。

といったところでしょうか。

上記にまとめた増村の人生は、原作を読むと思わず感情移入してしまい、フィクションとはいえ目頭が熱くなる程の内容で、映画版を観て悲しくも素敵な作品だと思われた方は、原作も読まれることをおすすめします^^


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