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マスカレードホテル・新田と能勢の関係性は?裏切りの理由と背景も解説!

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映画

映画「マスカレード・ホテル」には小日向文世さん演じる「能勢刑事」が、裏で木村拓哉さん演じる新田刑事をフォローする重要な役どころとして、度々登場します。

最初の絡みは、宿泊客としてホテルに来てその部屋まで案内し、新田と接点を持つシーンからスタートしましたが、この二人の関係性について、映画版では新田は警視庁、能勢は所轄の刑事としか触れられていませんでした。

そこで今回は、

  • この二人はどういった関係なのか?
  • 過去どのような接点があったのか?
  • どのように関係性が変化していくのか?

について、原作を読み解き掘り下げて解説していきます。



マスカレードホテル・新田と能勢の関係性

映画版ではあまり詳しく語られていなかった新田と能勢の関係性について、原作を読み解き解説していきます。

まずは、出会いから新田が能勢を徐々に信頼するまでの経緯をまとめていきます。

 

二人の過去の接点とその関係性

まず、新田は警視庁捜査一課の警部補で、年齢は見た目30代後半。

精悍な顔つき、帰国子女で英語は堪能。

一方の能勢は、今回の連続殺人事件により特別捜査本部が開設され、最初の事件が品川で発生したことから、品川署在籍の能勢が動員され、新田と組むように命じられた。

ずんぐりとした体型で流行遅れのくたびれたスーツをキツそうに着ている中年。

つまり、警視庁の新田と署轄の能勢は、新田がホテルで潜入捜査をする直前、特別捜査本部が開設されたときに初めて会い、コンビを組みほんの短期間一緒に仕事をしただけの間柄で、親しい仲ではありませんでした。

新田からみた能勢の第一印象は、「愚鈍そうなおっさん」で、北関東訛りの少しとろい、見ていて苛々することも多く、この男と離れることができて良かったと思っていて、毛嫌いしていました。

劇中には描かれていない二人の関係は、上記の背景があった上で、物語はスタートします。

 

新田に手柄を立てさせるためにホテルへ

能勢はコンビを解消しろと命じられた訳ではないと言い、自費でこのホテルに宿泊することにして、新田と接点を持ち、品川の事件で調べたことを彼に報告し、その後聞き込みに出掛けるなど、新田に手柄を立てさせることに注力します。

引用元:マスカレード・ホテル

そして夜遅く、新田にホテルに戻ることができなくなったと話し、もったいないから彼にその部屋に宿泊してもらうようにするのですが、原作では、もしかすると最初から自分に部屋に泊まらせるつもりだったのではないか?と考えを巡らせます。

 

新田は最初毛嫌いするも能勢を信頼していく

能勢の洞察力や地道な聞き込み、本宮から優秀な刑事という評判を聞き、当初コンビで捜査をしていたときよりも、徐々に信頼を寄せていき、新田は山岸と紆余曲折がありながらも信頼関係を構築し、彼がホテルにちょくちょく顔を出しお互いに意見交換する中で、上層部には秘密裏に能勢が単独で動いていくことになります。

引用元:マスカレード・ホテル

つまり、この事件で初めて知り合い短期間仕事をし、当初新田は能勢を毛嫌いしていたが、仕事ぶりや周囲の評判から、少しずつ信頼をしていきます。



マスカレードホテル・能勢裏切り?の理由

能勢が自分で手柄を取ろうと上層部にチクり、新田は裏切られたように思ったシーンについて、その理由と、原作にも綴られていなかった特捜本部上層部の動きを考察していきます。

 

能勢が裏切った(ようにみえた)理由

能勢は品川署に戻ると、連続殺人事件でありながら、個々の事件は個別に考えよとの捜査方針が言い渡されたと新田に報告。疑問に思った新田は本宮に相談し上司に伝わることとなり、新田と能勢が独自に動いていることを上層部に知られることになります。

能勢と新田の動きがバレたことで、上層部は捜査の進展も踏まえた上で、新田のアイデアである「手嶋正樹と井上浩代が共犯ではないか?」ということを、能勢は上司に報告せざるを得ない状況になり、結果として能勢が手柄を独り占めするために新田を裏切ったような形になります。

引用元:マスカレード・ホテル

原作では、新田の「手嶋と井上の共犯説」は半信半疑で、能勢に調べてもらって確信が持てた段階で上司に報告するつもりで、それまで互いに公にはしないと話していたため、新田にとって「裏切られた!」という気持ちが強くはたらくこととなりました。

 

能勢は上層部に気付かれていたと新田に話すも…

捜査会議のあと、能勢は裏で動いていることがバレていたこと、上層部に報告せざるを得なかったことを謝罪するも、新田は裏切られた気持ちで納得いかない態度をあからさまに取ります。

あなたを信用した俺がバカだったと。

劇中では、能勢はその後新田に「なぜ殺し方を統一しておかなかったのか?」と疑問を投げかけて立ち去りますが、

引用元:マスカレード・ホテル

原作では、突き放されて何も言わず立ち去り、後日ホテルに出向き新田に頭を下げて「x4は、x2が自宅のパソコンを使っていることを知っていて、わざとやめさせることを指示しなかったのではないか?」と、この辺りから責めてみないかと誘います。

これがきっかけで、新田は山岸からヒントを得て「x4の計画を仮説を立てて推理」したことを能勢を呼び出して話し、調べてもらうことを依頼、x4の正体を暴き山岸が危機に晒されたものの寸前で助け出し、犯人逮捕に至ることとなります。

引用元:マスカレード・ホテル

 

原作にも描かれていない特捜本部上層部の動きを考察

ここでは、原作にも描かれていない尾崎管理官・稲垣係長上層部の「考え」について、独自に考察してみます。

上層部は、優秀な能勢がホテルで潜入捜査をしている新田と会って、単独で捜査をしていることを、快く思っていなかったのかもしれません。

引用元:マスカレード・ホテル

そして、

  • 能勢の動きを追えば、新田と組んで何を考えているかがわかる。
  • 能勢と新田の手柄を横取りできるかもしれない。
  • 劇中の稲垣係長の新田に対する態度から鑑み、新田の実力は認めつつも、生意気な新田に手柄を取らせたくない。

などのことから、上層部は能勢に捜査状況を聞き取り、手柄を立てたい新田の思惑とは裏腹に、彼らに知られてしまうこととなり、捜査会議の際にわざわざホテルに出向いて能勢も出席したことで、秘密裏に進めようとしていたところで裏切られた!と新田は思うことになります。

犯人逮捕後に捜査本部が解散し、刑事が引き上げていく過程で、稲垣係長が「お前ら新田に好き勝手させるんじゃねーぞ!」と息巻いていたことからも、これが上層部の本音ではないでしょうか。

引用元:マスカレード・ホテル

 

まとめ

最後にまとめると、

  • 新田と能勢の関係性は、当初は関係性も薄く毛嫌いしていた新田ですが、一度は上司にチクられて裏切られたと思うものの、徐々に信頼を寄せていき、結果として犯人逮捕につながり、最後は支配人からホテルに二人とも招かれて出席する程、関係性は良好になった。

といったところでしょうか。

映画版では時間の制約上もあり、ホテルに潜入捜査する前の、新田と能勢の関係性や、能勢の人望の厚さ、頭の回転の速さなどが原作と異なりカットされており、少々残念なところもあります。

改めて見直すと原作・映画とも、とてもよくできた作品で、原作を読まれていない方はそちらの方もおすすめですね。

マスカレードホテル・映画と原作の違いは?犯人バレバレですぐわかる?
東野圭吾さんの長編小説「マスカレード・ホテル」はベストセラーとなり、2019年に映画化され、木村拓哉さんと長澤まさみさん主演で、興行収入46億円を超える大ヒットとなりました。基本的に原作の小説を忠実に映像化されており、大きく逸れるストーリー...




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