沢村一樹演じる「日下部篤哉」は、事件解決後山岸が病院で検査を受けたあと、ロビーに戻ってきた際に藤木総支配人から、「ホテルコルテシアロサンゼルスの香坂君だ」と紹介され、正体が明かされて、山岸と氏原をテストしていたことがわかりました。
映画版では彼の詳細はカットされていましたが、原作ではもう少し詳しく明記されており、彼の人物像がわかります。
そこで今回は、沢村一樹演じる「日下部篤哉」、本名「香坂太一」と、そのアシスタント狩野妙子について、原作から紐解き掘り下げます。
マスカレードナイトで日下部の正体・沢村一樹は何者?
主役から脇役まで幅広い演技力のある沢村一樹さんの役「日下部篤哉」について、その正体と彼がホテルにやってきた目的について、SNSでの評判についても紹介していきます。
日下部篤哉の正体
原作では、「本名:香坂太一(こうさかたいち)、ホテルコルテシア 北米支部担当局 人事第二部長」という肩書で、「日下部篤哉(くさかべとくや)」は叔父の名前であると明かしており、日本人スタッフの選出をするためにコルテシア東京に来て、藤木総支配人から優秀と訊いた山岸というコンシェルジュを、テストしに来たのが実際のところです。
では以下に、彼が山岸(映画版では氏原も)に宿泊客を装い、藤木総支配人にも内密で課した彼女らへの「テスト」について、まとめていきます。
引用元:マスカレード・ナイト
山岸へのテスト1「プロポーズ作戦で女性が断りたいと申し出」
コンシェルジュならプロポーズの演出程度ならできて当然で、される側が断りたい場合、相手の気持ちを尊重した上でどう断るか。この点を見極めるのが今回のテスト。
具体的には原作通り映画版も同じで、日下部の要望はレストランを貸し切り、プロポーズしたとき108本のバラを並べた道を作り上げるという演出をしようとしたときに、相手の狩野妙子という女性が断りたいとコンシェルジュに申し出てきたとき、山岸はどう対応するか?
引用元:マスカレード・ナイト
山岸は新田との会話でヒントを得て、「別離・門出」という花言葉のあるスイトピーを、薔薇の代わりに並べるというアイデアと、駆け引きなどせずに素直な気持ちを伝えたらどうか?という提案で、女性の要望に応え、難局を乗り切ったことで日下部は高評価しました。
※狩野妙子の詳細は後述。
山岸へのテスト2「一目惚れ作戦」
あまりに対応が良かったため、単独で「追試」することを考え、ラウンジにいた女性に一目惚れしたと、何とか二人で食事ができないかと山岸に要望したらどういう対応をするか?
彼女は「あしながおじさん作戦」を計画立案し、原作ではタイミングを見計らい「仲根緑」の部屋で引合せ、お付き合いすることは断わられたものの、食事はともにしています。
引用元:マスカレード・ナイト
例え作戦が失敗に終わったとしても、合格点を出すつもりでいたとしていたが、日下部はまさか男性でしかも殺人犯とは全く気付かなかったとして、少し落ち込んだ素振りを藤木と山岸に見せています。
映画版では、日下部と仲根緑の引き合わせはカットされていました。
山岸へのテスト3「パーティで女を見繕え」
原作にはありませんが、映画版では山岸が貝塚由里を尾行しているときに呼び止められ、「パーティでダンスを一緒に踊る相手を見つけてほしい」と無理難題を突き付けて3度目のテストをします。
山岸も機転を利かせて「今夜は特別な夜だから、自由に踊って楽しんで下さい」と簡単にあしらわれて、引きの画角でしたが日下部がニヤッと笑っていたのが印象的でした。
引用元:マスカレード・ナイト
流石に3度のテストはやり過ぎ感がありましたが、その間に貝塚が金を受け取るために待ち合わせしていた犯人に襲われてしまい、そこに山岸が突如現れて巻き込まれる流れで、二人を拘束して危ない状況にするためには、3度目のテストを入れて時間稼ぎをするのが、脚本的には無理のないストーリーだったといえるでしょう。
ちなみに原作では、先に山岸がチャペルに行き犯人に襲われ拘束されてから、すぐに貝塚が来て二人ともまとめて拘束されて、タイマーをセットされるということになり、そのあとは映画版と同じ流れになります。
氏原へのテスト
原作にはありませんが、映画版は氏原と山岸両名の内、一人をコルテシアロサンゼルスに推薦すると藤木総支配人が序盤で言っており、二人の対立構造を演出しているので、氏原にもテストを課していました。
日下部はホテルの最上階に部屋を代えてくれと要望し、当然ながら大晦日の宿泊に空いている部屋などないことはわかっている上で、フロントの氏原に申し出て彼の対応をテストしています。
引用元:マスカレード・ナイト
代行案として、「早朝に最上階のバーを開放することで納得していただいた」と、そのあと日下部から「予めバーからの眺望を確認しておきたい」と言われ、氏原の言動や態度をチェックすることでテストしていました。
管理人は語彙が乏しいので「バーからの帳簿を確認しておきたい」と聞こえて、『帳簿』って何?何かのリストを見るの?と思ってしまいました(^^;)
沢村一樹のSNSでの評判
Xをチェックすると、沢村一樹さんのキャスティングや演技力、カッコ良さ、スーツの着こなしをツィートされてみえる方が多く、特に女性の方からの評判は良好で、悪く言っている方は皆無といっても過言ではありませんでした。
ごく一部紹介します。
「#マスカレードナイト」を観てきた。
そういうこと…?ってなる展開はさすがは東野圭吾。小さいところにたくさん伏線が張られていて、見事に回収するのは凄いし面白すぎる。あと
「沢村一樹はまぁこういう役だよねー」
から
「沢村一樹はまぁこういう役だよねー」
って展開だなと個人的には感じた。— 落とし穴 (@ZnnTrillion) September 20, 2021
主役も脇役もこなせる沢村さんを表すと、この表現になりますね。
マスカレードナイトも含めて6月からほぼ週1で沢村一樹さんをみた結果、身長が高くてスタイルもいい人はいくつになってもスーツは似合うしシンプルなジャケットコーデでもきまっているという結論に至った。
— もち。 (@chimaki175) September 23, 2021
マスカレードナイトも面白かったよ!沢村一樹かっこよかった
— 🍙 (@okome_daaa) October 17, 2021
イケおじというのか、Wのスーツ姿が決まってカッコいいというのが女性から見た視点なんだと、気付かされますね。
めっちゃわかる!!!この前のテレビで見た時マスカレードナイト見たい!って思うくらいおもろくてやっぱ東野圭吾サイコー!!!ってなったもん😂💜マスカレードナイト衣装とかも素敵だしお話もよかった!!あと沢村一樹がいい味だしてるからおすすめ!
— ヒト (@Ya_hitodesu) September 25, 2021
マスカレードナイト、主演2人が最高なのはもう大前提で、その上でいっちゃん良かったのは沢村一樹さんでしたねぇ……。芝居が本当にお上手で……特に表情がね……最高よもう……
— 4418 (@ssiw_4418) October 6, 2021
スーツ姿のカッコ良さやインパクト、とにかく「カッコいい」のオンパレードでした(^^)
マスカレードナイト・凰稀かなめの役「狩野妙子」
日下部の交際相手「狩野妙子」の人物像と、演者の凰稀かなめさんについても簡単に紹介します。
狩野妙子の人物像
原作では、日下部の交際相手「狩野妙子(かのうたえこ)」は本名のようで、年齢は30歳前後、山岸を信じさせるために、特別支援学校の教師という肩書の名刺を渡していますが、この名刺に書かれた学校は存在しないことが調べるとわかり、彼女は一体何者だったのか?と山岸は苦悩することになります。
引用元:マスカレード・ナイト
実際は日下部のアシスタントで、学生時代に演劇をしていたのでお芝居はお手の物ということで、恐らく、部下か同僚と思われます。
凰稀かなめのプロフィール・経歴
凰稀かなめさんをご存知ない方に向けて、簡単にプロフィールと経歴を紹介します。
プロフィール
名 前 :凰稀かなめ(Ouki Kaname)
生年月日:9月4日
出身地 :神奈川県川崎市
サイズ :身長173cm
学 歴 :私立順心女子学園中学校・宝塚音楽学校
引用元:凰稀かなめ/ケイローズ オフィシャルサイト・Wikipedia他
略歴
1998年宝塚音楽学校に入学、2000年に宝塚歌劇団に86期性として入団し、雪組・星組を経て宙組では6代目トップスターに就任、数々の公演で主演を務め、2015年に宝塚歌劇団を退団。
退団後は、女優として数多の公演で舞台に立ち、2018年に文化庁芸術祭新人賞を受賞。
ドラマ・映画にも進出し、2024年にはNHK大河ドラマ「光る君へ」の出演も決まっている。
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所属事務所は「ケイローズ株式会社」という、実質的に彼女の個人事務所に近い形を取られているようで、生花業務もされています。
経歴
インスタはこまめに更新されてみえるので、直近のごく一部を紹介します。
2023年9~10月ブロードウェイミュージカル「ロジャース/ハート」に出演されています。
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2023年7月には劇団EXILEの「THE面接2023」に、出演されています。
□─ ─ ─ ─ ─ ─⁰ 「THE 面接」
ビジュアル写真公開📸
履歴書風デザインに
なっております!⁰─ ─ ─ ─ ─ ─□ pic.twitter.com/s3hrfNPrnW— THE 面接2023 (@Themensetsu2023) July 6, 2023
2023年は他にも、5月にアガサクリスティ原作「ホロー荘の殺人」で主演を務め、2~3月に舞台「巌流島」と連続して舞台に出演。
映画では2021年公開された「お終活 熟春!人生、百年時代の過ごし方」に続く、2024年公開の第2弾「お終活 再春!人生ラプソディ」、上記の大河ドラマにと、舞台だけでなく多方面で出演されています。
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まとめ
最後にまとめると、
- 沢村一樹演じる「日下部篤哉(くさかべとくや)」は偽名で、本名は「香坂太一(こうさかたいち)」、肩書は映画版では簡潔に『コルテシアロサンゼルス』、原作では『ホテルコルテシア 北米支部担当局 人事第二部長』
- 宿泊客を装い、コルテシアロサンゼルスに引っ張ってくる山岸(映画版では氏原も)がふさわしいのか、藤木総支配人にも内密でテストしていた。
- 日下部の交際相手役「狩野妙子(かのうたえこ)」は本名のようで、彼のアシスタントであり、学生時代に演劇経験があり芝居の能力が高く、恐らく彼の部下か同僚と思われる。
といったところでしょうか。
事件が解決したところで日下部の正体がわかるのは、映画版も原作も同じですが、この作品で重要な位置づけである日下部役に、演技力の高い沢村一樹さんのキャスティングは、見事にハマっていましたし、狩野妙子役も元宝塚のトップスター凰稀かなめさんで、重厚感のある演技でバランスが取れていました。
日下部の正体は、映画版だけ観ても十分わかる演出でしたが、原作を読むとより理解できると思います。