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容疑者Xの献身で富樫の遺体はどこ?スノードームの意味についても

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映画

映画「容疑者Xの献身」で、富樫が花岡母娘に○害されたあと、彼の遺体はどこへ消えてしまったのか、詳細は省略されて描かれていませんでした。

また、映画版で美里が殴りかかったときの凶器として、「スノードーム」を強調した3つのシーンがありましたが、どのような意味が込められているのか?

そこで今回は、

①富樫の遺体はどこに消えたのか?
②「スノードーム」の意味を考察
について、原作と交えて紹介していきます。




容疑者Xの献身で富樫の遺体はどこ?

結論から言うと、富樫の遺体は、石神の部屋へ運ぶ→石神が風呂場で解体→隅田川へ遺棄という流れになります。
映画版ではカットされた、原作での内容を紹介していきます。

 

富樫の遺体は石神の部屋へ運ぶ

原作では、花岡靖子の部屋へ富樫が来た痕跡を消すため、学生時代柔道をして力も強い石神は、遺体を背負い自室へ運び、花岡靖子と美里も彼の部屋へ連れてきて、靖子には男の素性を聞き出し、美里には部屋の掃除を指示。

富樫の遺体とすり替えるため、石神が別人を〇害しそれを富樫と思わせるために、死後硬直が始まる前に急いで彼の衣類を脱がし、その人物に着させて計画を立てた。

 

遺体は石神の自室風呂場で解体

原作では終盤で、思い出すのも気持ち悪いと心境が綴られていますが、彼の遺体は、湯川の部屋に運んだあと風呂場で6つに分割し、重石をつけて3箇所に分け、夜中に三晩に渡り投棄したとあります。

映画版では、富樫が12月1日の20時30頃○害されたので、遺体の解体と遺棄に夜中中かかったため、12月2日午前中を休み、その日の夜にホームレスを誘い出し○害、後処理をしていたため、12月3日午前中を休む。

引用元:容疑者Xの献身

石神の出勤簿を見て、これが湯川にとって推論ではあるが、石神の犯行を裏付ける確証を得たことになります。




容疑者Xの献身でスノードームの意味・3シーン

映画版でスノードームがクローズアップされて映し出されるのは、3回あります。

①美里が富樫に殴りかかったとき

②石神が花岡母娘の部屋をドアチェーン越しに見たとき

③エンディングで富樫の遺体を捜索しているとき

この3つのシーンについて、スノードームの意味を考察も交えて紹介していきます。

 

美里が富樫に殴りかかる

女子中学生が好きそうなものですが、殴打して致命傷を負わせるには面積が小さく力も弱いでしょうから、やられた富樫が激怒するリアルな演出につながっています。

引用元:容疑者Xの献身

原作では、「銅製の花瓶」で、映画版では見映えの良い「スノードーム」に置き換えられ、季節感や女子中学生ともマッチしており、序盤に伏線を張っています。

 

石神が花岡母娘の部屋をドアチェーン越しに見る

ドアチェーンを掛けて数cmの間から、無造作にスノードームが転がり、靖子の乱れた髪、数分前の尋常でない喧騒から、別れた亭主が押し掛けて来て、母娘が行きずりで○してしまったのではないかと、石神はすぐさま思ったことでしょう。

引用元:容疑者Xの献身

原作では、炬燵布団で富樫の遺体が隠されて石神が怪しむのですが、映画版では玄関で殴ったスノードームがそのまま放置され、部屋の構造上のこともあるかもしれませんが、わかりやすい演出にして伏線にしています。

 

ラストのエンディングで富樫の遺体を捜索する

最後は、細やかながらも幸せに暮らしていた「母娘の人生が破綻した象徴として、割れたスノードームが発見された演出に」して伏線回収しており、これがスノードームに置き換えた意味ではないかと思います。

引用元:容疑者Xの献身

ここわた
ここわた

そのあと、CGで雪が降ってくる演出や曲ともマッチしていて、最後までしっかりと作られていました。

原作では、美里が富樫を玄関で殴打した凶器は、弁当屋の開店祝いでもらった「銅製の花瓶」なので、やはり映画化するにあたり、それでは地味で華がないと判断されたと考えられ、原作では3月ですが、映画版では12月の設定であるため、スノードームの方が季節的にも合っています。

時間にして約10秒間、エンドロールの最中とはいえ、上記2つのシーンよりかなり長い時間を割いていることからも、監督・制作陣が映画版として描きたかったことを最後に主張されているワンシーンでもありました。

 

まとめ

最後にまとめると、

  • 富樫の遺体は、石神の部屋へ→風呂場で解体→隅田川へ遺棄という流れで、映画版ではその詳細は描かれずにカットされている。

 

  • スノードームで富樫を殴り付けたのが、不幸への始まりであり、石神が遺体とともに遺棄した凶器が割れて見つかったことで、幸せだった母娘が破綻した悲しいエンディングを象徴した意味として伏線回収されている。

といったところでしょうか。

流石に富樫の遺体処理は映像化はできませんし、銅製の花瓶では地味すぎて印象に残りにくいと判断し、脚本を練られたと思われます。

エンディングの「割れたスノードーム」は、湯川の言う『誰も幸せにならない』を、別の角度から映像化した映画版ならではの結末で、原作には遺体・凶器の捜索はなく、石神と靖子の警察署でのやりとりで終わり、それをエンディングにしなかった制作陣のこだわりが、時を経ても色褪せない儚さが垣間見える作品として、後世に残っていくのではないでしょうか。

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