1995年のダイハード3では、犯人グループの一味に女性兵士「カティア・タルゴ」が登場します。
犯人グループのリーダーは、1作目にマクレーン刑事に弟を殺された兄のサイモンですが、その連れ合いと思いきやそうではなく、契約で雇われているグループとしてナンバー2の位置づけの「マシアス・タルゴ」と婚姻関係にあります。
FBIが、車内でマクレーンらに犯人グループの主要メンバーが、どのような人物像かを写真で紹介していたのですが、劇中終盤に彼女は裏切って、冷酷に夫を射殺してしまいました。
なぜ彼女は結婚して姓まで変えているのに、それを裏切りサイモンを選んだのでしょうか?
そこで今回は、悪役女性兵士はなぜ裏切ったのか?彼女はなぜ声を発しない、または喋れないのか?について考察していきます。
ダイハード3悪役女裏切りの理由は?
悪役女性兵士「カティア・タルゴ」は、なぜ夫を裏切り冷酷に射殺し、サイモンを選んだのか?
順を追って考察していきましょう。
サイモンは爆発物・爆弾専門のマシアスを利用
まずは、犯人グループのリーダー「サイモン」とナンバー2の「マシアス・タルゴ」について簡潔に紹介します。
サイモンは、東ドイツの特殊部隊を大佐として率いていた有能な軍人であり、その部下を有していた。
サイモン・ピーター・グルーバー
引用元:ダイ・ハード3 (With a Vengeance)
一方、マシアス・タルゴは、元陸軍兵士で爆発物・爆弾の扱いに長けており、直近ではイラクに雇われているフリーのテロリスト。
マシアス・タルゴ
引用元:ダイ・ハード3 (With a Vengeance)
サイモンは、弟の復讐としてマクレーン刑事を引っ張り出し、それを口実にして隠れ蓑にし、その上で連邦準備銀行から大量の金塊を強奪するには、爆弾を利用しようと画策し、マシアスと契約する形で、彼とその部下を仲間に引き入れた。
女兵士カティアが夫を裏切った理由を考察
その過程で、マシアスの妻であるカティア・タルゴと知り合い、やがて愛人関係にまで発展し、親密な関係を築いていったと思われます。
そこで夫を裏切った理由を劇中から分析し考察すると、
- サイモンと相思相愛の関係になり、元々彼女が夫マシアスを疎んじていて関係を断ちたかったのかも。
- 夫は気が短くて常にイライラしている印象が強く、性格の不一致もあったのかも。
- サイモンの方が夫より魅力的だった(紳士的で頭の回転も早い)から、乗り換えたかったかも。
- サイモンからすると、最初から金塊を強奪したあとは夫は用済みなので始末したかったから、女に近づき仲間に引き入れ、裏切らせたのかも。
契約で動くテロリストで、部下数名も引き連れていたことから、分配の割合まで決めていたでしょう。
5:5若しくは6:4くらいの比率ではないかと思われ、サイモンにとっては実入りが少なくなるため、逃走用のボート上で始末する計画だったのではないかと推測できます。
実際、マクレーン刑事と戦い重傷を負いながら逃走用ボートで一人待っていたところに、サイモンと彼女が現れ、冷酷にマシアスを射殺してしまいました。
引用元:ダイ・ハード3 (With a Vengeance)
その直後、恐らく反対側に待機していたサイモンの仲間数名が乗ったボートが、サイモンと彼女を迎えに来ていたことから、マクレーンが船に乗り込んできたのは想定外だったとはいえ、計画通りに事が運んだことが窺えます。
引用元:ダイ・ハード3 (With a Vengeance)
サイモンとカティアの親密さが読み取れるシーン
二人が愛人関係で親密な関係性であることが読み取れるシーンが、2回程あったのをお気づきになりましたか。
カティアスがサイモンの腕と背中に触れる
マクレーンとゼウスを捕えて船底にクレーンで降ろし拘束した際に、サイモンが彼女に「先にボートで待ってろ」と指示した直後に、声が出ない彼女はうなずくのではなく、明らかにサイモンの腕と背中あたりを軽く触っています。
引用元:ダイ・ハード3 (With a Vengeance)
二人の間に信頼関係があると同時に、彼女の方がサイモンに強く惚れていることを匂わせており、その直後に夫を射殺したことから、しっかりと伏線回収ができています。
トラックで逃走中の車内でも彼女はサイモンを見ている
またその前にも、サイモンとタルゴ夫妻が金塊を積んだトラックにて逃走中、夫が運転し彼女が真ん中の席、サイモンは助手席で部下に指示を出しているのですが、目頭を押さえたり頭が痛そうにしている彼を数秒間見ています。
引用元:ダイ・ハード3 (With a Vengeance)
サイモンに気が無ければ、気にも留めないのではないでしょうか。
タルゴ夫妻を強調したシーン
妻が夫を裏切ったことにインパクトを持たせるためか、事前に二人が夫婦であることを強調しているような演出も見受けられます。
警備員を殺害後にサイモンに制止されたとき
カティアが劇中に登場後すぐに、地下金庫側から警備室に入り、警備員をメッタ刺しにするシーンで、サイモンが彼女の手首を持って制止させ「もういい。死んでる」と言った後、そばにいた夫のマシアスが彼女を気にかけ支えようとしたような仕草が、一瞬映っていました。
引用元:ダイ・ハード3 (With a Vengeance)
トラックで逃走中の車内での距離感
サイモンとタルゴ夫妻が金塊を積んだトラックにて逃走中においても、夫妻ツーショットでのカメラワークが数回あり、それとなくこの二人はデキている感を出している印象を与えています。
引用元:ダイ・ハード3 (With a Vengeance)
また距離間も、タルゴ夫妻は肩が触れるくらいの距離間ですが、サイモンと彼女の間は、目視で30cm程度の距離がありそうです。
引用元:ダイ・ハード3 (With a Vengeance)
ダイハード3悪役女が喋らない・話さないのはなぜ?
以前、イスラエル諜報特務局により仕掛けられた爆発事故で喉を負傷した影響で、喋れない設定になっており、彼女の喉元から首にかけて傷があるのが確認できます。
引用元:ダイ・ハード3 (With a Vengeance)
サイモンと情事をお楽しみ中に、マクレーンが乗るヘリが上空に飛んできて、激昂し屋根窓に向かって叫びながら発砲したのが、唯一声を出したシーンでした。
彼女の初登場シーンでは、くわえタバコにサングラスでしたが、喉を負傷して声が出ないのに、タバコは吸えるものなのか?喉に負担がかかるのでは?と邪推してしまうのは管理人だけでしょうか。。
演出上、インパクトと恰好良さを優先したということかもしれません。
まとめ
最後にまとめると、
- サイモンとカティアは愛人関係というところからスタートしているため、タルゴ夫妻の関係は実質的に破綻していたと考えられる。
- 「金塊を強奪したあと夫のマシアスは用済みなので始末したかったから、女に近づき仲間に引き入れた」のが、サイモンの当初からの計画だったのではないかと考えられる。そして裏切らせた。
- カティアの声が出ないのは、以前爆発事故で喉を負傷した影響によるもの。
といったところでしょうか。
夫マシアスは妻に裏切られて射殺されるという悲惨な最期になってしまいました。
爆発物の専門家であるならば、頭は悪くなさそうなイメージがありますが、利用されたあとは用済みで始末されるかもしれないという考えがなかったところが、命取りになったということでしょう。
愛する人からの裏切りには気をつけましょうw