ダイハードシリーズ4作目「ダイハード4.0」で、送電所施設のシーンで軽トラが2台映り込んでいたのが確認できます。
ダイハードシリーズは、アメリカを舞台にテロリストグループを相手に、ブルースウィリス扮するマクレーン刑事が、一人または相棒と共に複数の犯人を相手に立ち向かう、勧善懲悪の派手なアクション映画です。
そのアメリカで、日本の古い軽トラがこれみよがしに映り込んでいたことに、違和感を覚えた方もみえるのではないでしょうか?
そこで今回は、「ダイハード4.0」で送電所施設にあった軽トラの車種と、アメリカで軽トラが使われている理由やその背景について紹介します。
ダイハード4に軽トラのダイハツハイゼットが映っている!
送電所にテロリストグループが侵入しハッキングしているときに、マクレーン刑事とファレルが乗り込むのですが、出入口ゲートから構内に入った際に、日本製の古い軽トラが2台映り込んでいたのが、はっきりと確認できます。
では、この2台の軽トラの車種は何なのか?詳しく解説していきます。
ダイハツハイゼット(7代目)
車両正面から、大きくカメラフレームに入っているのは、ダイハツ製の7代目「ハイゼット」で、この7代目のみ正式車種名「ハイゼット・ピックアップ」と「ピックアップ」という名称が付いていました。
引用元:ダイハード4.0
- マイナーチェンジ前(前期型)は、ヘッドライトが丸型形状で、’86年4月~’90年3月までの販売。排気量は550CC。
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- マイナーチェンジ後(後期型)は、ヘッドライトは角型に変更されて、’90年4月~’93年12月まで販売され、軽自動車新規格として全長が10cm拡大、排気量も660CCに変更。
劇中の車両はヘッドライトが角型なので後期型であり、正面からメーカー名と車種名も、明確に確認できます。
こちらが劇中登場と同様の後期型。
この前下関に来た時に見つけたまあまあ珍しい7代目ハイゼット草ヒロ😄✨ pic.twitter.com/kyiVnpvmwB
— … (@unimisoearth_x) October 5, 2019
三菱ミニキャブ(5代目)
ダイハツ・ハイゼットの奥に停めてあったのが、三菱製のミニキャブ(5代目)です。
少し遠目で、車両横からのカメラアングルに加えて、暗いためわかりにくいのですが、ヘッドライト下部から助手席側ドアにかけて、ラインが見受けられることから、1991年2月から販売されていた5代目と思われます。
引用元:ダイハード4.0
恐らくこのタイプですね。
本日、我が家に三菱ミニキャブ(U42T)がやってきました。
グレードはTDで切替式四駆、4速MT車です。
パワステレスで手巻きの窓ながらエアコン付きです。
まだ予算10万円台で買える軽トラですので、チープに楽しみたいです。 pic.twitter.com/xTYAaPRkqF— 犯罪すれすれ (@81busbbou6) December 19, 2021
軽トラがアメリカで使われる理由は?
日本メーカーの古い軽トラは、アメリカのみならず海外では人気があるそうで、北米には軽トラ専門の輸入販売業者もいるということで、人気の高さが窺い知れます。
その理由をまとめます。
主に敷地内や近距離の移動に便利
アメリカでは、広大な農場や牧場の他、工場、公園、学校などでも、作業車として荷物を積むだけでなく、カート代わりに使用されることも多いそうで、劇中の送電所では広大な土地面積であることが推測され、荷物を積むというよりも、カート代わりに施設内の移動に使っていると思われます。
近年では、消防署や一部の警察機関、救急車の手配会社、米軍基地でも使われているようで、公用車への採用も進んでいるそうです。
劇中では、ナンバープレートも付いていませんでした。
また、軽トラはカートよりも、荷台の積載性も良く最大350kgまで積めて、キャビンは狭いながらもエアコンやパワステも付いており(車にもよるが)、雨天時でも風雨にさらされることもなく、優れています。
他にもメリットとして、
- 小回りが利き、取り回し性もよい。
- 低燃費で、保険料もリーズナブル。
- シンプルなデザインで頑丈、日本製で壊れにくく故障が少ない。
- 長距離走行する車両ではないため、走行距離は少なめの良質車も多い。
- メンテナンスやカスタムもしやすい。
- スピードは出ないが、運転する楽しさがある。
- エンジンの静音性も秀でている。
- もの珍しさやアメ車には無いかわいらしさ。
などといったことが挙げられます。
25年ルールで輸入が可能に
ご存知の方も多いと思いますが、通称「25年ルール」が関係しており、ざっくり説明します。
アメリカでは通常右ハンドル車の輸入を認めていないのですが、日本車メーカーが製造した右ハンドル車は、製造後25年経過した車両において、「クラシックカー」として認められるため、輸入が可能になり、これを通称「25年ルール」と言います。
これは、関税や排ガス規制については対象外となります。
近年、映画「ワイルド・スピード」やテレビゲーム「グランツーリスモ」のヒットも追い風になり、アメリカでは、製造後25年が経過したスカイラインGT-Rやスープラなどのスポーツカーが輸入されて、人気になっています。
明けましておめでとうございます。本年から25年ルール解禁のR33GT-R以外でランエボ3、初代インテR(4ドア含む)、EK系シビックの購入予定の海外バイヤーの書き込みを見かけるので・・・状態の良い車両から消えてくかも? pic.twitter.com/z7gykI0ba2
— 中古車ウォッチ速報 (@chukoshahunter) January 1, 2020
車検制度、メードインジャパンの信頼性もあり、軽トラについても同様に25年ルールにより輸入され、上記で述べたように幅広く利用されています。
まとめ:ダイハード4.0⇒軽トラの写り込み2台あり
最後にまとめると、
- 「ダイハード4.0」の劇中、送電所施設のシーンで、日本車メーカーの軽トラックが映り込んでおり、車種は『ダイハツハイゼット(7代目)』と『三菱ミニキャブ(4代目)』。
- アメリカで「25年ルール」により日本車が輸入され、軽トラは使い勝手も良く人気があり、広大な農場や工場などで、カート代わりに使われている。
といったところでしょうか。
アメリカでは、上記で述べたように実際に幅広く使用されているとみられ、日本では役目を終えても海外で人気があるということは、やはり日本のモノづくりが世界で認められていることの証明でもあり、劇中でも裏を返せばそういったことも読み取れます。
マクレーンの元妻ホリーの勤める会社が日系企業という設定であったり、犯人グループの使用する無線機がケンウッド製品であるなど、何かしら「JAPAN」が絡んだりしているのが見受けられます。
ダイハードシリーズは、今もおすすめの作品です。